「コンビニのトイレを公共化しようという取り組みがあります。いつでも利用できて、公衆トイレよりも衛生的です。例えば、神奈川県大和市では公共化に協力する店を募っていました。市は店に対して資金援助はないものの、トイレットペーパーを支給するとしています」
こうした取り組みは公共トイレを増やしてほしいという市民からの要望でもある。
「私も大和市の件で地元の方に話を伺ったのですが、高齢の方が散歩などで使用される際、コンビニで使用したいけど、毎回何か買わないといけないのはハードルが高い。堂々と使用できるようにしてほしいという意見もありました」
問題解決への取り組み
誰もいない公園の公衆トイレなどは安全性の面が懸念される。だが、コンビニにとっては「迷惑の押しつけ」といった批判の声も。
「店側としては集客につながることも考えられますが、それでも負担は重い。公共トイレとしてなら、車いす用や多機能型トイレも求められることもあるでしょう。
そうなれば、スペースを広く取らなければならない。補修や改修に補助金を出したり、清掃スタッフの派遣などを検討することも必要かもしれません」
コンビニのトイレの公共化以外にも、問題解決に取り組む動きはある。渋谷区で実施されている「THE TOKYO TOILET」プロジェクトだ。
「デザイン性の高い“透明トイレ”など、何かと話題になっていますが、清掃やメンテナンスもしっかり行われています。トイレ診断士という専門のコンサルタントが入り、こまめにトイレの状況をチェックし、情報共有や問題解決の会議も行っているそうです」
この渋谷区の公共トイレを舞台にした役所広司主演の映画『PERFECT DAYS』も話題だが、白倉さんは「トイレマナーについて、さらに議論することにつながってほしい」と期待する。
日本のトイレはきれいといわれるが、管理する人がいてこそだと肝に銘じたい。