「リングネームをつけたのは所属ジムの会長だ。おとこ気あふれる元暴走族ヘッドがビジネス界で活躍する人気漫画『サラリーマン金太郎』の主人公に容疑者が似ているらしく、パンチの特徴と合わせてスコーピオン金太郎となった。金太郎は、最初は笑われたらしいが、本人は“飼っていたハムスターと同じ名前で気にいっている”とか“新人王で格好いい名前と証明できた”と強がっていた」(同・関係者)
同県市原市出身で3人きょうだいの次男。離婚した母親が子どもたちを引き取り、賃貸アパートで暮らしてきた。
会社員とボクサーの二足の草鞋
キックボクシングをしていたころは「ヤンチャでケンカの延長線上のような戦い方」(知人男性)しかできなかったが、実家を離れてボクシングを始めると才能が開花した。独身で会社員とボクサーの二足の草鞋を履く。
新人王獲得は大きな反響を呼んだ。容疑者はSNSで関係者に感謝を述べ、
《自分自身何者でもないですが、諦めなければいつか夢は叶うと実感できた瞬間でした。この先報われない事もあるかと思いますが絶対に諦めません》と宣言。
支援者は、
《市原市の誇りだね》
《いい顔つきになってきたよ》
と称賛コメントを寄せていた。
又吉容疑者が表敬訪問した際、市原市の小出譲治市長は「市をあげて応援する」とエールを送り、八千代市の服部友則市長は「世界タイトルを狙ってほしい」と期待した。
年が明けて23年1月、又吉容疑者にとってさらに誇らしい出来事が。地元の先輩にあたる男性が言う。
「出身中学から講演に呼ばれたんです」
いわゆる凱旋講演。しかし、知名度は全国区でないため、体育館に集められた母校の後輩たちは「はあ?だれ?」としらけムードだったという。