筆の幅広さに脱帽

 そのムロツヨシが出演した『大恋愛~僕を忘れる君と』('18年 TBS系)が第4位。「記憶をなくしていく主人公と周りの人たちの愛情……こんなに泣けたドラマはなかった」(埼玉県・31歳女性)。若年性アルツハイマーの産婦人科医を演じた戸田恵梨香の好演も印象的な切ない物語だ。

「ムロツヨシのシリアスな面を世に知らしめた作品。戸田さんも産婦人科医で、大石さんの中に命の尊さを描きたいという思いが常にあるんでしょうね。記憶が消えていく中で葛藤の末、子どもを産むというヒロインの決断は大石さんらしくて……号泣必至の名作です」(カトリーヌさん)

『大恋愛』でシリアスな演技が話題になったムロツヨシ
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 そして、5位は大河ドラマ『功名が辻』('06年 NHK)。山内一豊の妻・千代を仲間由紀恵が演じ、武士の妻の視点から戦国の世を描いた。

「原作が司馬遼太郎さんなんですけど、本能寺の変が起こったのは、織田信長と濃姫と明智光秀の三角関係が原因だったなど、大石さんらしいアレンジがたくさんありました。戦国モノというよりは妻の内助の功で出世していく夫のサクセスストーリーという感じで、女性も見やすかったんじゃないでしょうか」(カトリーヌさん)

 6位以降を見ても、嫁姑に不倫、実録モノに医療ドラマと大石さんの筆の幅広さがうかがえるランキングに。中でもカトリーヌさんが印象深いという作品が。

「7位の『セカンドバージン』('10年 NHK)です。鈴木京香さんが年下の長谷川博己さんと不倫するんですけど、サレ妻を演じた深田恭子さんのエキセントリックぶりがすさまじかった(笑)。生々しいベッドシーンも多くて、NHKでこれをやるんだと驚きました。愛欲ドロドロの、まさに大石静さんの真骨頂という世界観で、今見ても面白いドラマだと思います」