朝ドラ屈指の名作
一方、宮藤官九郎作品の1位に輝いたのは、朝ドラ屈指の名作『あまちゃん』('13年 NHK)。現在、BSプレミアムで再放送中ということもあって、断トツの人気を得た。「時事ネタがちりばめられてるのに、今見ても古くなくてめっちゃ笑える。朝ドラの最高傑作」(北海道・52歳男性)。「能年玲奈ちゃんが本当に可愛くて、朝から元気をもらえた。朝ドラでアイドルを題材にしたのも面白かった」(千葉県・46歳女性)と絶賛のコメントも多数。
「隅から隅まで面白いですよね(笑)。すべてのキャラにユニークな設定があって、必ず見せ場があるのは本当にスゴい。ほとんどの宮藤作品の土台には家族というテーマがあるんですけど、『あまちゃん』は祖母、母、娘の3代の物語で、その家族を囲む人々の群像劇になっている。ホームドラマという点も朝ドラとの親和性が高くて、朝から楽しめるクドカンワールドは至福でした」(カトリーヌさん)
2位は宮藤の連ドラデビュー作『池袋ウエストゲートパーク』('00年 TBS系)がランクイン。長瀬智也を主人公に、池袋の若者たちの姿をリアルに描いた青春群像劇の傑作だ。「アウトローな空気感の中で描かれるユーモア。キレキレの俳優陣、演出含めて時代の最先端をいっていた」(神奈川県・42歳女性)。「今見ると脇役を含めたキャストが豪華すぎる。これが出世作となった役者がたくさんいるのがスゴい」(東京都・48歳男性)など、それまでとはまるで違うドラマの登場に衝撃を受けた人は多かったよう。
「'00年の作品ですが、まさに新星登場というデビューでした。“見たことがないドラマを書く人が現れた!”って。宮藤さんの脚本で驚いたのが、その言語感覚。それぞれのセリフに絶妙なくすぐりがあって、とっぴな人物像でもキャラ造形がしっかりしてるから、宮藤さんの世界に引き込まれちゃう。見ている自分もクドカンワールドの一員になれるんです」(カトリーヌさん)
『IWGP』から2年、クドカンワールドを確立した作品『木更津キャッツアイ』('02年 TBS系)が第3位。岡田准一、櫻井翔ら草野球チームのメンバーたちの地元・木更津での日々を描いた青春コメディーだ。「主人公はがんで余命半年なのに、その現実を無視したような面白い日常が展開する。笑えて泣ける名作」(福岡県・42歳女性)
「内容が青年コミックなんですよね(笑)。若い男の子がワチャワチャして、かわいくてエッチな女の子が出てきて、面白おかしい事件に遭遇してみたいな。一応、余命モノなんですけど、悲愴感が一切なくて、ただただ楽しい。物語が表と裏に分かれていて、表で描かれた出来事が実は……というネタバラシを時間を巻き戻して裏で説明するという構成も斬新で、素晴らしかった」(カトリーヌさん)