8月12日から開催された、徳島県徳島市の“夏の風物詩”として知られる『阿波おどり』。残念なことに、最終日となる15日は台風7号の接近により全公演が中止に。ところが、同じく荒天となった14日は避難情報や暴風警報が出るなかで祭りが“強行開催”されており、ネット上では物議を醸している――。
「中止となった最終日だけでなく、徳島市は14日にも台風の影響を強く受けていて、同市の内藤佐和子市長はこの日の公演を中止するよう実行委員会に要請をしていました。その際、高齢者らへの避難勧告を呼びかける予定であることも伝えたそうですが、委員側は“この程度であれば大丈夫”と判断したといいます。結果的に、委員による会合で多数決により予定通りの実施が決まりました」(スポーツ紙記者)
暴風警報、避難指示が発令される中で開催
内藤市長は実行委による開催決定を受け、自身のツイッターで《徳島市として、今後、台風の影響が大きくなっていくことが見込まれるため、阿波おどり実行委員会に対して、中止を要請しましたが、実行委員会は阿波おどりの開催を決定したとのことです》と、要請が受け入れられなかったことを報告。さらに、市は約12万2300世帯、24万7600人に対して、高齢者らに危険な場所からの避難を呼びかける「高齢者等避難」を発令し、市内の各所に避難所を開設するなど厳戒態勢を取った。
そんな中で強行開催された14日の阿波おどり。踊り手たちは豪雨の中、全身ずぶ濡れになりながら演舞を披露したが、徳島市に住む男性は複雑な思いを語る。
「過去にも、大雨の中で開催されたことはありました。踊り手たちは当日のために練習を重ねてきていますから、多少天気が荒れたところで披露したいという思いは当然あります。ただ、14日は暴風警報も発表されたし、高齢者などには避難指示も発令された。何かあったときの危険性を考えると、そんな状況での開催には疑問が残りますし、市と実行委員会で連携が取れていない点も気になります」