ネット上で批判が殺到
メディアの取材に対し、実行委員会側は「演舞を突然中止にすると観客に混乱が生じる恐れがあることや、当時はまだ風が強くなかったことから、安全確保をしながらプログラムを早く進行して終了するとの決定をした」「警報が出たことは聞いていたが、総おどりが始まる直前でお客さんも期待しており、中止にすることはできない。事故には細心の注意を払い取り組んだ」と説明している。
この対応には、ネット上で、
《実行委員会のお偉いさんは安全な場所で眺めるだけだろうけど、踊り手がかわいそう》
《避難指示が出てるだから「まだ風が強くなかった」じゃないでしょ。カネに目がくらんで危機感も想像力も欠如してる》
《人命や安全より金が優先ですか》
《有料席の払い戻しをしたくなかったんでしょ。もし人命に関わるような事故が起きていたらどうするの?》
《たまたま怪我人が出なかっただけ。土砂降りの中踊った方々の体調が心配》
など、批判的な声が集まっている。
「徳島市民にとって、阿波おどりは単なるお祭りを超えた存在。ただ、それゆえに安全性やモラルを軽視して“暴走”しがちな部分があるのも事実です。昨年には、参加者数のほぼ4人に1人にあたる819人が新型コロナウイルスに感染する“感染爆発”も起きています。何でもかんでも“阿波おどりならOK”とする姿勢には問題があると思いますし、なかなか口には出せないけれど、徳島市民の中にはそういった部分のせいで阿波おどり自体が苦手になってしまった人もいるんです」(前出・市内に住む男性)
強行開催の翌日、最終日の15日は全公演が中止となり、公式サイトでは有料席チケットについて払い戻しの案内が発表された。
「中止の場合は払い戻しがされるということがわかり、ネット上では14日の強行開催について“やっぱり払い戻しがしたくなかったのか”とするコメントも寄せられています。実行委員会側は15日の中止について、“台風通過後で席の安全確認が間に合わず、公共交通機関の運休により運営・警備スタッフが集まらなかったため”と理由を説明していますが、今回の一件は今後の開催に向けて少なからず遺恨を残しそうです」(前出・スポーツ紙記者)
さまざまな人の思いが交錯した今年の徳島市・阿波おどり。開催するにしても、中止するにしても、来年以降は市民の納得のいく形での説明をしてほしい。