粘り強い対応が大切
しかし現実として解決することは不可能に近く、“やったもん勝ち”のムードがあるのでは。
「たしかに、損害額が低廉となりがちで、パブリシティ権侵害の有無・損害額の立証には困難が伴いますから、その意味では“やったもん勝ち”といえるかもしれません。しかし、泣き寝入りせず交渉を続けることで、無断使用の中止に応じてもらえるケースも多いため、粘り強く対応することが大切です。このような姿勢を示すことが今後の無断使用への抑止力にもなります」
同じように一般人でも「自分の料理の写真を勝手に転載された」などの被害があるが、その場合でも同じだ。
こういった無断使用の広告は、“違法だとわかっていて”制作されているケースがほとんどである。
「横行している要因の一つとして、実際の損害額について立証することが難しく、賠償額が低廉となってしまうという問題があります。例えば、自社が運営するWEBサイトの著作権が侵害されたとして、読売新聞社が他社に対して6825万円の損害賠償を求めたケースで、実際に裁判所が認めた賠償額は23万7741円に過ぎませんでした。著作権法上、損害みなし規定が存在しますが、より実際の損害に即した損害賠償を受けられるような改正が望まれます」
広告出演料で稼ぐ有名人にとっては死活問題である。