中華パワー炸裂! ド派手な応援合戦
中国人メンバー2人を有し、中国でも絶大な人気を獲得しているZB1。その中でも多くの熱狂的ファンを抱えているのが福建省出身のジャン・ハオ(23)だ。
ZB1が誕生したオーディション番組『BOYS PLANET』で視聴者投票1位を獲得し、センターとしてデビューした彼。華やかなルックスに抜群の音楽センスをあわせもち、さらには頭脳明晰で音楽の教員免許を持つというパーフェクトガイだ(人格も魅力的なのだが、今回は割愛)。
そんなジャン・ハオを、組織的に応援することで知られるのが「ジャン・ハオ・バー」と称される中国人ファンの私設団体だ。
中国のファンはアイドルを「箱(グループ)推し」ではなくメンバー単位の「単推し」するのが基本で、人気グループとなるとメンバーごとにファンの応援団体(バー)が存在する。
以前、BTSジミンへの誕生日プレゼントとして、航空機に特別塗装を施したラッピング広告がファンから贈られたことがニュースになったが、その依頼主も中国のバー。CDの共同購入を万単位で行うほか、推しの誕生日にはドローンや花火を打ち上げるなど、ダイナミックな応援活動が特徴だ。
ジャン・ハオのバーもその例に漏れず、デビューCDをたった1日で10万枚予約したことで話題になったばかり。今回の公演でも組織力と資金力を発揮し、ドームの周囲にフラッグ式の応援広告を展開。さらには公演成功を祈願したアドトラックを走らせ、中華パワーを見せつけた。
また、ZB1のリーダーで韓国出身のソン・ハンビン(22)にも、高い組織力を持つ中華バーが存在。会場近くのカフェを貸し切り状態にして応援グッズの無料配布イベントなどを開催し、多くのファンを集めていた。
「推しの応援のためなら何でもする勢いの韓国や中国のファン文化は、やれることが限定的な日本のオタクからするとうらやましいし、面白い」とはソン・ハンビンのカフェイベントに並んでいた日本人女性(30代)。
実は韓国でもパブリシティ権侵害などもいとわないファンの行き過ぎた応援活動は問題視され、散発的に議論がされているようだが、約15年K-POPの現場に通う著者が見る限り、現場は依然そのままだ。
とはいえ、これらの応援活動がアイドルの人気拡大に貢献しているのは紛れもない事実。アイドルの事務所側も黙認どころか利用している向きさえあり、共存共栄と言えるかもしれない。ソウルでの単独公演後、米国で開催された音楽イベントに参加し、グローバルな人気を証明したZB1。今後も世界各地でファンを増やし、熱狂的な推し活をますますヒートアップさせそうだ。
取材・文/K-POPウォッチャー 小林レオ