堺雅人主演で現在放送中の『VIVANT』(TBS系)。平均世帯視聴率は右肩上がりで、第8話では14.9%を記録した。
これまでは、企業の誤送金問題から始まり、自衛隊の秘密部隊に所属する堺演じる乃木憂助が仲間を裏切ってまでテロ組織『テント』に潜入し、リーダーである父のノゴーン・ベキ(役所広司)と再会するというストーリーが展開されてきた。10日に第9話が79分の拡大スペシャルで放送される。
主演の堺のほかにも、阿部寛や二階堂ふみ、松坂桃李、二宮和也、役所広司ら豪華俳優陣が出演しているが、その中で注目されているのが、ドラムを演じている富栄ドラム。
阿部寛演じる公安の野崎守の仲間で言葉は一切話さず、スマホの音声機能を使って会話。表情だけで演技をする、そのかわいらしいキャラクターが話題になっている。
ドラムらしい表情が掴めてきたのは…
重要な役どころとして出演が決まったときの心境をドラムはこう語る。
「当初、僕はエキストラのオーディションに参加していました。福澤克雄監督の作品ですので、何とか選ばれたいと思っていたら、どんどん話が進んで。まさかレギュラー出演できることになるとは、夢にも思いませんでした」
『半沢直樹』などの大ヒット作品をいくつも手掛けてきた福澤克雄監督。
クランクイン前には、演技経験のほとんどないドラムが戸惑わないようにと、スタッフと親しくなれるよう、一緒に行動する機会を与えてくれたという。ドラムにとって、福澤監督はどんな存在なのか。
「撮影前に福澤監督から“表情というのは気持ちで作る”と教えていただいたおかげで、何とかドラムらしい表情が掴めてきました。野崎さん(阿部寛)やチンギスさん(バルサラハガバ・バトボルド)とのシーンでは、監督のイメージと違ったらどうしようという不安もありましたが、キャラが濃いと褒めていただき、とても自信に繋がりました。福澤監督は僕にとても愛情を注いでくださり、本当に尊敬できる方です」
ドラムは伊勢ヶ濱部屋に所属していた元力士。現役中は元横綱の日馬富士や現横綱の照ノ富士の付き人も務めた。引退後に俳優の道に進んだのも、力士としての経験があったからのようだ。
「子どもの頃からTVドラマを観るのが好きで、憧れを強く持っていました。相撲を辞めるときに、それまで努力してきたこと、経歴も含めて自分の見た目や運動神経を活かしたいと考えたときに、俳優が頭に浮かびました。去年の今ごろは、まさか自分が堺さんたちと一緒の画面に映って演技するなど、想像すらしていませんでした。自分が今、ここにいるというのが、いまだに信じられないです」
堺や阿部、二階堂などの共演者たちからのサポートにも感謝しているという。
「阿部さんには何度も励ましの言葉をかけていただき、堺さんにはお芝居のことを相談させていただきました。二階堂さんは、僕のせいでカットがかかっても、優しく微笑んでくれて。経験のない自分が演じることができたのも、皆さんの優しさがあったおかげです」
実際にモンゴルで2か月のロケを行っていたことも話題になった。印象に残っているエピソードはというと……。
「第1話の登場シーンで私が運転していますが、実は事前の運転練習の時に、お腹がつかえてハンドルが回らなくなってしまったことがあって。そこから撮影までに必死にダイエットをしました(笑)。やせなかったら登場シーンが変わっていたかもしれません」
ドラマも佳境に入ってきた。
「堺さんたちがお芝居している後ろでの僕の仕草など、細部まで注目してくださっている視聴者さんがいらっしゃって、本当に嬉しく思います。ぜひこれからの『VIVANT』も楽しんで観ていただければと思います」
今後のドラマの展開とドラムの活躍から目が離せない!