処分保留のためか、沙姫さんは銀行口座が作れない、子どもの保険にも入れない状態で、
「賃貸住宅も借りられないし、就職もできなかった。だから生きている意味が感じられなくて……」
逮捕以前は月200万円の売り上げがあったが…
逮捕されるまで、2人は健さんがデザイナー、沙姫さんが経営者としてアパレル会社を6年前に立ち上げ、生業としていた。オーダーメイドのキャップを中心に、Tシャツ、トレーナー、ネックレス、スマホケースなどは、すべて沙姫さんの手作り。
「最盛期には1個1万円以上のキャップが、月に100個以上の注文が入ったこともありました」(健さん、以下同)
その月の総売り上げは200万円近くになったことも。なぜそこまで儲かったのか。
「歌手、タレント、お笑い芸人などの有名芸能人やスポーツ選手などのSNSにDMを送って、了承を得たらキャップなど私たちの商品を無料で差し上げるんです。その代わり、商品を身につけた有名人の写真を店のHPに載せるというPR法でした」
だが、逮捕された途端、
「週刊女性の記事にもありましたが、有名人の所属事務所は“当人は帽子を送ってもらった以外はやりとりをしておりません”とか、“帽子を被った写真は勝手に使用されている”と回答していて……。まったくのでたらめ、嘘です」
手のひら返しをされたことが相当ショックだったと、沙姫さん。健さんも寂しそうにこうつぶやいた。
「人って冷たいもんですね。疑われただけで、蜘蛛の巣を蹴散らしたかのように、みなさん、パッと去っていくんですから」