全摘の後遺症には今も苦しみ続ける
つらいところを人に見せたくないという思いが強かった。投稿の裏側では、さまざまな出来事もあった。
「やっぱり全摘は大変なんですよね。消化する能力がないから食べ物が詰まって大腸が出血する虚血性大腸炎とか、いきなりお腹に物を入れることで、血糖値が急激に変化して倒れたり。
今でも後遺症には苦しんでいて、介護状態になったり救急車で運ばれたりしたこともあります。再発のリスクや不安も常に抱えています」
そんな状況でも、自分を磨き続ける。最近の投稿ではパーソナルジムでトレーニングする様子も。
「美魔女コンテストに水着審査があって、生まれて初めてトレーニングをしたんですけど楽しくて。筋トレを続けていたらコーチから『ベストボディジャパン』に出てみたら?って誘われて。来年の出場に向けて頑張っているところです」
ここまで頑張るのは何が原動力なのだろうか?
「やっぱり皆さんから私を見て勇気が出たとか、いつも応援していますという言葉をもらえるようになったことが大きいです。病気になったから諦めようとか、怖くて食べるのやめようとか弱気になってしまいがちだと思うんです。
でも、何かに夢中になって一生懸命やることで嫌なことって忘れられたりするじゃないですか。私を見てもらうことで、誰かの力になれたらうれしい。何か求められているのであれば、目いっぱいやってみたいんです」
落ち込むときにはとことん落ち込むと、また明るい世界に戻る勇気が湧くと浜木さん。
「つらい思いをすると、いつかそれと同じくらいの幸せなことが起こるっていいますよね。私のこれからの人生はハッピーなことばかり起きるって信じているんです」
浜木真紀子さん●1974年生まれ、富山県在住。会社経営。23歳で結婚後も大手損保会社で活躍。37歳のときに胃がんが見つかり、翌年がん研有明病院に入院、胃を全摘。手術した翌年、会社を独立。現在も胃カメラ検査とCT検査を半年ごと交互に続けている。'19年開催の第10回国民的美魔女コンテスト ファイナリスト。東京で働く長男とカフェ巡りをするのが楽しみ。
(取材・文/諸橋久美子)