ブラックサンダーは、チョコ菓子にもかかわらず2月の販売が不調だったそうだ。そこで、「バレンタインデーに何かできないかと考えたときに、どうひいき目に見ても本命ではなく義理チョコなので、だったら堂々と“義理”を前面に出すのがブラックサンダーらしさなのではないか、と考えました」と牧さんは話す。
トースト専用ブラックサンダーも!
人気はSNSなどを通して台湾にも飛び火し、'14年には同国で大ヒットを記録。かつて生産終了にまで追い込まれたブラックサンダーは、現在、チョコレート市場で売り上げ個数ナンバーワンを誇るまでに成長した。
つい最近も、ファミリーマートとのコラボ商品『ブラックサンダー チョコレートフラッペ』が、発売から2週間で190万杯を突破するなど大きな話題を集めたのは記憶に新しいところ。
「さまざまな新商品を開発しているのですが、ボツになってしまったものもあります(笑)。ポテトチップスを配合したポテトチップスサンダーという商品を開発したのですが、採用されず幻の商品に。
来年2月まで行っている当社の『ブラックサンダーイナズマ級!キャンペーン』の賞品としてポテトチップスサンダーを提供していますので、よろしければご参加ください。私も食べましたが、味はとてもおいしいです」
東京・小平市にある有楽製菓本社には直営店が併設されており、プレミアムシリーズはもちろん、トーストの上にのせて食べるトースト専用ブラックサンダーやブラックサンダーカップアイスなどを購入することが可能だ。ファンは一度訪れておきたい“聖地”だろう。
「価格以上の価値をしっかりお客さんに届けることが、弊社の理念です。近年は、ブラックサンダーに使用するカカオ原料については、児童労働撤廃に取り組んでいる企業のカカオ原料を100%使用しています。安くておいしくて、皆さんを笑顔にするお菓子を作り続けていきたいです」
ブラックサンダーシリーズは、毎年、過去最高の販売数を更新し続けているという。お菓子界に響きわたる轟音は、これからも進化していきそうだ。
取材・文/我妻弘崇