「同じ澤瀉屋の一族というひいき目もあるのでしょうが、香川さんが実の父との確執を乗り越えて、梨園入りを決心し、努力した様などを知っていますから、ずっと応援していたんです。歌舞伎やドラマを問わず、香川さんの活躍を心から喜び、アドバイスを惜しまなかったそうです」
喜熨斗さんの自宅を訪ねると
そんな喜熨斗さんは2022年6月に逝去。本人の自宅を訪ねると留守を預かっているという女性が、
「亡くなったのは事実ですが、お話しすることはありません」
と、答えるのみ。別居していた喜熨斗さんの妻にも話を聞いたが、
「人づてに亡くなったと聞きましたが、私とはもう関係ありません」
と言うだけだった。香川にも喜熨斗さんへのお悔やみの言葉を聞こうと所属事務所に問い合わせたが期日までに返答はなかった。
「香川さんにとって喜熨斗さんは、幼いころから気にかけてもらっている恩人ともいえる存在。苦難続きの澤瀉屋には、喜熨斗さんの応援が必要でしょうが、今はもうかないません」
香川を支えてきた人が、ひとりまたひとりと去っていく。