「当時、私は成田空港の“北ウイング”を何度も行ったり来たりして……。彼女は本当に、いろんなことをやってくれました(笑)」
男性は、くしゃっとした笑顔をつくり、目を細めて懐かしそうにしながら、ある“事件”を語る。その主犯は、中森明菜─。
◆ ◆ ◆
昭和の歌姫が、再び表舞台へ復帰するのではと、ファンの期待が膨らんでいる。
「明菜さんが新たにレコーディングしたセルフカバーの楽曲が、10月30日にラジオで流れました。公の場で歌ったのは'17年のディナーショーが最後ですから、約6年ぶりの歌声にファンは歓喜しています。年齢的な衰えはありますが、“明菜は今も健在”だと感じさせました」(スポーツ紙芸能デスク、以下同)
彼女が歌った曲とは、'84年の元日にリリースされた『北ウイング』。
「作曲家の林哲司さんが作曲したもの。杏里さん、菊池桃子さんなどにも楽曲提供をしている林さんが、今年でデビュー50周年を迎えたことを記念したトリビュート・アルバムを11月8日に発売します。その中に明菜さんが新たにレコーディングした『北ウイング-CLASSIC-』が収録されているのです」
7月には渋谷で限定グッズを販売するファンイベントを開催され
曲の発売当時18歳だった明菜が、約40年ぶりに新たな命を吹き込んだ。復活への足取りはスローモーションではあるけれど、着実に前進している。'22年に新たな個人事務所を立ち上げ、その年末には新しいファンクラブも開設した。
「ファンクラブの会員専用サイトでは、明菜さんの肉声を公開し、近影やメッセージを届けています。8月に公開された音声では、ファンの求めに応じて『スローモーション』を口ずさんだりしました。お酒を飲むのがルーティンだと話していたのですが“これを聞かれたら、お医者さんに怒られちゃう”とも。なぜ、お酒がダメなのかは不明ですが、体調がまだ万全ではないことを感じさせました。今年も紅白出場が期待されていますが、やはり難しそうですね」
7月には、東京・渋谷で限定グッズを販売するファンイベントを開催。参加したファンの女性は、
「明菜ちゃんのイベントだから、40歳~50歳ぐらいの人がほとんどかと思いきや、20代の女の子や高校生も訪れていてビックリ。でも、明菜ちゃんのグッズって微妙なのよ。入場料を払い、グッズをあれこれ買ったら3万~4万円は軽く超えますから、これならディナーショーのチケットが買えるのにって思っちゃった」
会場には、明菜を身近に感じられる“あるモノ”が展示されていた。
「明菜ちゃんが帽子を持った写真の隣に、実際に明菜ちゃんが使った帽子が飾られていたんですよ。スタッフからは“手に取っていいですよ。かぶってみてください”と言われましたが、明菜ちゃんと同じ帽子をかぶるなんて畏れ多くて……。ほかの人も、かぶっている人はいませんでした。みんな同じ気持ちだったと思います(笑)。今年は、15年ぶりに制作したというカレンダーを発売しました。税込み1万450円と高いので悩みましたが、明菜ちゃんを応援したくて購入しました」(同・女性ファン)
しかし、今回“歌”での復帰に選んだのは、なぜ『北ウイング』だったのか。
「昨年、NHKで過去のライブ映像が放送されて話題になりましたから、トリビュート・アルバムを出すレコード会社も明菜さんを目玉に据えたかったのでしょう。作曲者である林さんは今回の収録に、ほぼノータッチだと聞きました」(レコード会社関係者)