そんな状況が続き、しばらくしてようやく警察が到着。しかし、犯行に及んだ女性をすぐに取り押さえることはなかったという。
「警察は来たのに見てるだけで、“何があったの?”って感じでした。私の友人が一旦遠くに離していたはずの女性も、振り向くと私の真後ろにいて……恐怖でしかなかった。友人も警察が来たから女性のことを任せたのに、なぜ倒れている男性と私がいる場所に近づけたのか、いまだに理解できません。警察には怒りも感じました」
SNSで誹謗中傷も
その後、救急隊が到着。
「救急隊の人たちはすぐに処置を代わってくれました。そのあと私は腰が抜けて、過呼吸になってしまいました。友人が静かなところに連れていってくれて、落ち着いてから警察のところに戻って状況を説明しました」
銀河さんの勇気ある行動もあって、男性の怪我は大事に至らず。しかし、SNS上で一件が拡散されたことを受け、彼女は誹謗中傷を受けたと話す。
「まったく知らない人に顔を載せられて、“この人にかけ飛ばされています(ホストクラブでの代金を支払わずに逃げること)”とか“余計なお世話”とか“イキって目立ちたいからって、フォロワー稼ぎのためにした行動だろ”とか“そのまま消えたらよかったのに”とか……ひどい言葉もたくさんかけられました」
SNSで目立ちたいのは、どちらかといえば動画を撮影して拡散している人たちのほうではないか。そんな世間に向けて、銀河さんはこう語る。
「SNSでバズることしか頭にないのはやめてほしいし、もし次またこんなことがあれば、そのときは少しでもいいからタオルを持ってくるとか、できることをしてほしいです。同じ人間なんだし、助け合いは大事だと思います」
被害男性については、加害女性と交際関係にあることや、刺されてもピンピンした様子で飲み歩き、事件について“武勇伝”のように語り回っている姿が11月7日の『文春オンライン』で伝えられている。
しかし、銀河さんの咄嗟の判断でそんな男性が救われたこともまた事実。人が血を流して倒れている現場で懸命に動く人の姿を笑っていい理由など、どこにあろうか――。