入る前に知っておきたい「いい高齢者施設の見分け方」
自分の家族が老人ホームを利用するとき、できればいい施設に入居させたいと考えるもの。今回は、金銭面以外での施設のよしあしの見極め方をご紹介する。
「実は介護施設の福祉サービスの質を客観的に評価する『福祉サービス第三者評価』というのがあるんです。東京都では補助金を出しているので、評価を受けている事業者が多く、参考にしてほしいですね」と話すのは、ケアマネジャーでその調査員もしている土谷邦子さん。
中立な立場で、介護サービスの内容や組織の経営力などが評価される。ネットで『第三者評価』と検索すると受審している施設がわかる。
「義務ではありませんが、首都圏や都市部では評価を受けている施設も多いですよ。ただ、お金もかかるので、地方になると受審率が低いです」
要介護3以上でないと入れない特別養護老人ホームに関しては待機人数が多く、空いたらラッキーな状況なので選ぶのは難しいが、専門家の客観的な評価は参考になる。
第三者評価を受けていない施設や、施設見学をする際はどこを見るといいだろうか。
「施設に入った瞬間のにおいです。『クサイ』と感じる施設は、排泄介助をちゃんとできていない可能性が高い。ずっとにおいがあれば人間の鼻は鈍感になるので、職員も掃除を徹底できていないんです」
次に、入居者の目の輝きを見るといいそう。
「入居者の目が虚ろな施設は、介護者が積極的に入居者と関わっていないかもしれません。日中は基本、入居者は部屋の外に出て、眠らずに活動するのが理想的です」
3つ目に、出されたお茶が美味しいかをチェックする。
「高齢者はお茶が好きなので、それが美味しい施設は料理の味にもこだわっている可能性が高いです」
さらに、見学の際、積極的に部屋を見せてくれるかもポイントだ。
「掃除や整理整頓がされているかは、もちろん要チェック。重症な方と、軽症の方の階数を分けていることが多いので、サッとでも全館見せてもらえるところは安心ですね」
事前見学するときはココをチェック!
●においがしないか
●利用者の目の輝き
●お茶が美味しいか
●全館を見せてもらえるか
教えてくれたのは……ケアマネジャー・土谷邦子さん。ヘルパー研修講師。NPO日本高齢者介護協会理事も務める。【東京都福ナビ】