“底が抜けた風呂桶”
前出の大谷氏は、「ポリシーがない」とバッサリ。
「本来、政治の目的は2つ。国民の生活を守ること、二度と戦争をしないことに尽きるんです。これは与野党共通の認識です。そこを前面に出してくれば国民は納得するわけですよ。ですが岸田さんの場合、税制に関しては増税をしたいときは減税をちらつかせる。人気がなくなると人気を取ろうとして、自民党内でも安倍さんを支えていた右派を取り込もうとする。彼らの支持が欲しいだけでポリシーもないのに憲法の改憲を持ち出してきたわけなんです。
ただ、青山繁晴議員や高市早苗議員のように安倍さんにくっついていた改憲派は筋金入りの右派。半端な人間が改憲を打ち出したって、口先だけで取り込みにきたな、としか思わない。国民に対してだけでなく、党内でもどこでも失敗しているんです。やることなすこと失敗。ここでヒットを打てよ、というところで見事に三振してみせているのが岸田首相です」
さらに岸田首相を“底が抜けた風呂桶”と表現し、
「これだけ落ちたら小手先の作業では底が抜けた風呂桶の修理なんてできるわけがないんです。釘1本だけ持ってきて板を打ちつけたってうまくいくわけない。ドカンとびっくりするような大技を出さないと」(大谷氏)
岸田首相の支持率を上げるための大技を大谷氏が提案する。
「国民の7割が反対している『大阪・関西万博』の中止を宣言すればいい。かつて東京で計画されていた『世界都市博』を開催中止にした青島幸男・元東京都知事のように“万博やめた、金も出さない、撤退しろ”と言えば何もせずに座っていても支持率は上がるんです」
前出の杉村氏は、
「支持率が低いのは岸田さんだけではない。先進国のリーダーは軒並み支持率が低いです。根本原因は物価高です。支持率回復には物価高対策しかないです」
とフォローするが……。
曇りなき眼で世の中を見てくれる首相が求められる。
東京都生まれ。早稲田大学を卒業後、読売新聞大阪本社に入社。グリコ・森永事件など数々のスクープを手がけ、1987年に退社後、ジャーナリストに。社会事件から政治まで、幅広い分野で活躍。
北海道生まれ。筑波大学中退。
2005年9月の総選挙で最年少当選を果たし、ニート・フリーター問題など若年層雇用の環境改善に尽力した。現在は、テレビやラジオなどで政治評論家としても活躍。