万博開催地の“本当の目的”
開催に向かっての明るい展望が示されたようだが、その経済効果に疑問を投げかけたのが、兵庫県明石市の前市長、泉房穂氏。前大阪市長で、誘致委員の会長代行を務めた松井一郎氏が6年前にツイートした、
《万博は誘致できればその経済効果は6兆円以上》
という言葉に噛みついた。最近では、経済効果が2兆円という数字が報じられていて、この違いは何?ということなのだが、森永さんはこの数字について、
「2兆円、といわれていますが、私はその半分くらいかな、と思っています。そもそも、万博協会が'20年に策定した計画では、来場者は半年で2820万人を想定していますが、完全に無理ですよ。'70年の大阪万博は6400万人くらいの来場者でしたが、今回は1500万人来ればいいところかなと。
'70年の万博会場では携帯電話が初めて使われ、月の石も展示されました。今回はそのような目玉がないんです。世界の情勢もネットでリアルタイムにわかる時代ですし」
なんとも寂しい話ばかりなのだが、それでも万博を開催する意味はあるのだろうか?
「誘致を党の功績としてきた大阪維新の会も、本音では万博に期待なんてしていないと思います。見据えているのは、万博後に会場の夢洲に誘致するIR施設、もっと言えばカジノなんですよ。
万博開催にかこつけて地下鉄を開通し、終了後には地下鉄を活用するということでカジノをつくる。カジノ建設にIRと万博というオブラートをかぶせているんです」(森永さん)
そして、万博を盛り上げる方法として、こんな“策”を提言する。
「万博ではなく『世界ギャンブル博覧会』にすればいい。世界のギャンブルを集め、日本からはチンチロリンやおいちょかぶなど、あらゆる博打を解禁。これなら絶対に盛り上がりますよ(笑)」