遺影の印象を変えた志村けんさん
女性は友人同士で撮影にやって来て、女子高生がプリクラを撮る感じで盛り上がるが、男性は遺影の撮影に消極的な傾向だった。妻に嫌々連れて来られる様子だったというが、それが変わったのがコロナ禍だ。
「志村けんさんの影響は大きかったようです。彼がいきなりコロナで亡くなって、あの笑顔の遺影がバーンと出た。それが壮年の男性に衝撃を与えたようです。自分の遺影ってないよな、と」
志村さんの遺影は、笑福亭鶴瓶とのツーショットを切り出し加工したもので、自然な笑顔がとても印象的だった。
「七五三や成人式が終わって大人になると、きれいに写真を撮ってもらう機会ってないじゃないですか。遺影撮影だからとかしこまらず、大人が写真を撮ってもらう良い機会として楽しんでもらえる方向に変わっている気がします」
KANさんのように楽しい葬儀にしてもいい。自分らしく、自然に。それがこれからの葬儀の流れになりそうだ。
(取材・文/ガンガーラ田津美)