「無期限の試合出場停止処分を科せられた中田ですが、わずか9日後に無償トレードで巨人に移籍。処分もうやむやなままに即一軍合流、公式戦にも出場したことで日ハムと巨人の両軍が批判に晒されました。
当時は“クビにするべき”などの厳しい声も向けられた中田だけに、同じくパワハラで自由契約になった安樂との処遇の“違い”に納得できない声が上がるのも致し方がないこと。それでも両者に決定的な“違い”があります」
中田と安樂、被害者の処罰感情に違い
パ・リーグを取材するベテランのスポーツジャーナリストによれば、中田と安樂に差がついたのは、騒動背景にあった「被害者の処罰感情」の違いだとか。
「中田が手をあげたのは元より交流が深かった後輩選手で、言い争いから突発的に手を出したことで同選手が試合に出場できなくなって事件が球団に知れてしまった。
被害を受けた選手は問題を大ごとにしたくなく、当日に謝罪した中田への処罰を望まなかったと言いますが、球団として暴行の事実を把握した以上は公表してペナルティーを科すべきと判断したのです」
片や安樂の場合、後輩選手へのパワハラは突発的ではなく常習的に行われていたとされている。
「しかも被害にあった複数選手が自ら球団側に相談をしたわけで、そこに安樂のパワハラを“やめさせてほしい”“注意してほしい”との処罰感情があったのは明らか。
中田のケースとは違って選手間に信頼関係はなく、被害者はただ安樂に対して怒りしか感じていなかったのかもしれません。まあ、報道されているような金銭面での搾取があったのならば当然ですが(苦笑)」(前出・スポーツジャーナリスト)
プロ野球界でも一般企業でも、大切なのはハラスメント扱いされない信頼関係ということか。