天皇陛下が惹かれた雅子さまの姿勢
猪口さんは、雅子さまのお心遣いを“周囲に対する認識形成”と捉えている。
「スイーツを贈って労うという行動をとおして、“職場に苦労がある”ということを暗に示されていたともいえます。雅子さまは、皇室入りされる前から、社会の大切な部分に光を当てるようなご努力をなさっていました。そうした姿勢に、天皇陛下も惹かれたのではないでしょうか」
1993年に皇室入りされてからも、猪口さんが抱いた雅子さまの第一印象が変わることはなかった。
「女性皇族として、さまざまな服装規定がおありでしょうが、雅子さまは常にオーセンティックなスタイリングで、どのような場面でも周囲に安心感を与えてくださいました。
そうした雅子さまの雰囲気は、愛子さまにも引き継がれていると感じます。前のめりではなく、1歩控えめな姿勢でありながらも、実直で前向きなお人柄。雰囲気もキャラクターも、皇太子妃時代の雅子さまにそっくりです」
愛子さまのご誕生後には、ほほえましいエピソードも。
「政治家である私は、園遊会などの公的な場にも参加させていただくことがあるのですが、雅子さまにお会いするといつも“お元気ですか?”とお声がけしてくださります。愛子さまのご誕生からまもなく、どこかの場面で交流する機会があったのですが、その時に私が“敬宮愛子さまとは、本当に素晴らしいお名前ですね”と申し上げると、雅子さまは“そうでしょう”といったご様子で、本当にうれしそうにしておられました」
還暦を迎えられた雅子さまに対して、猪口さんは最後にこう締めくくる。
「ハンディキャップを持つ人や、特別な境遇を乗り越えて努力している人、まだ日の目を見ない文化や伝統、最先端の技術……。両陛下が自ら大切だと思うことに着眼し、寄り添われたり、各地へ赴かれたりすることが、自然と国民の認識形成に示唆を与えていくことになります。雅子さまが、これからも社会が見落としていた点に光を当て、あたたかい影響をもたらしてくださることを願っております」