歌手・UAのミュージックビデオに出演したり、アーバンスポーツに精通する俳優・野村周平の動画配信番組にゲストとして呼ばれたことも。番組で野村は《オリンピック出てたよね? 閉会式でなぜか無茶苦茶な動きしてる奴がひとりいるなって思ったら賢人だった》と突っ込んでいた。

 スケボーを始めたのは小学生のころ。自宅にインテリアとして置いてあったボードに乗って周辺を滑るようになり、10歳のとき愛媛県今治市で開かれた競技会で優勝。県内の大会で毎年のように好成績を収めるようになり、日本スケートボード協会(AJSA)が主催する地方大会で結果を出すようになった。

 中学卒業後、より滑れる環境を求めて東京へ。友人宅を転々としながらスケボーざんまいの生活を送ったとされる。

 確固たる地位を築きながら、五輪メダリストの活躍に発奮する発言も。

俺らも一発カマしたいって

 サブカルチャー分野のウェブマガジンの対談企画では、

《日本人が金メダルを取ったことはスケーターとしてアツいことだし、めちゃ刺激を受けて。表というか、スケートのスポーツとしての側面が盛り上がっている中で、カルチャー寄りの動きをしている俺らも一発カマしたいって気持ちが湧きました》

 と威勢がいい。

 逆三角形にしたスカーフで口元を覆うなどギャングのようなスタイルを好む一方、意外な一面もあったようだ。

「実家に帰省したときは、地元の子どもたちにスケボーを教えたり、イベントにも積極的に参加し、生まれ育った故郷への恩返しをしてくれた。根はめちゃくちゃいい子なんですよ。ブランディングで尖った感じをみせていたけど、愛嬌もあるし、斜に構えたりもせず、地元ではヒーローです。これからがたいへんでしょうが……」

 と前出の愛媛県のスケートボード関係者は言う。

 はたして容疑者は何をカマすつもりだったのか。影響力があることを自認しながら、犯罪行為に走るのは、どう考えてもクールではない。