ディスコで還暦パーティー「娘に生かされた人生」
「この60年間を振り返り、あのときこうしておけばよかった、ということはほとんどありません。これまでの人生に後悔はなし。ひとつだけ言うならば、勉強はもっとしておけばよかった。17歳で学校をドロップアウトしたことを、今になってちょっぴり悔いています。
破天荒に生きてきました。家を飛び出し、親も泣かせた。娘を授かり、シングルマザーとして必死に生きてきた。裏切られ、打ちのめされ、もう死んでしまいたいと思ったことが何度もあった。私がここまで生きてこられたのは、やっぱりクリスタルがいたから。クリスタルがいるから頑張れる。娘に生かされている感がある。もし娘がいなければ、こんなダメな女はとっくにこの世から消えていたはずです。
世の母というのはそういうものなのか、人によっても違うでしょう。ただ私たちは、We only have each other。私と娘は2人きりで、ずっとお互いしかいなかったから」
手探りで始めたスナックで、第二の人生を切り開いてきた。60歳を機に、この先の人生に思いを馳せる。
「店をオープンしたとき、とりあえず5年頑張って続けてみようと決めていました。実際60歳になったとき、感覚としてまだあと5年は頑張れそうだと思った。今はとりあえず65歳まで頑張って店を続けようという気持ちでいます。
65歳になったとき、また改めてその先どうするか考える。横浜に戻って違う店をやるかもしれないし、このままここで店を続けるかもしれない。もしかしたら店を畳むかもしれない。
でもいろいろな占い師にみてもらったところ、私は死ぬまで働くと、口をそろえて言われます。はたしてどうなるのか、先のことはわからない。これまでも直感に従って生きてきました。だからこの先どこに向かって進むのか、私自身もわからない。今はただ次のひらめきを待っているところかもしれません」(完)
<取材・文/小野寺悦子>