2010年の「山田邦子50歳、芸能生活30年、結婚10年」パーティーで、夫の後藤史郎さんと記念撮影
2010年の「山田邦子50歳、芸能生活30年、結婚10年」パーティーで、夫の後藤史郎さんと記念撮影
【写真】邦子さんに激似! 母・昭子さんとの貴重な2ショット

 弟に迷惑はかけたくないという強い思いもうかがえる。

葬儀だけではなく、その前に介護生活をどう過ごしたいか、医療の力をどこまで借りるかも大切ですよね。まだ夫婦とも脚は悪くないけれど、自宅の階段に手すりをつけてもらったんです

がんサバイバーだからこそ、命のありがたみや人との関わりを大切に

 すでに弁護士に相談し、遺言など公正証書としても残している。

自分の資産を知る上でも、40歳ぐらいからやっておくといいと思います。私の場合、弟にはいくら残すのかとか、そのときどきで変わるのでちょくちょく変更しますよ

 また、「会いたい人には、会えるときに会ってください」と邦子さんは力説する。

最近では番組で共演して仲が良かった(渡辺)徹ちゃんや(笑福亭)笑瓶ちゃん、KANちゃんが亡くなったのはショックでしたね。時間をつくって会っておけばよかったと後悔しています。

 先日、夢の中で徹ちゃんがみんなにいたずらして笑わせてくれたんだけど、(榊原)郁恵ちゃんに連絡したら、その日が命日だったのよ。うれしかったけど、私より郁恵ちゃんの夢に出てあげてほしかったなぁ」

 自分ががんサバイバーだからこそ、命のありがたみや人との関わりを大切にしながら生きてきた邦子さん。垣根を越えて若手芸人の活躍の場をつくることや、名取のひとりとして長唄をもっと一般の人にも広めたいなど、まだまだやりたいことは尽きない。

いろんな人の助けがあって今の私がいる。だからできる限り周囲に返していきたいの

 最後に、旦那さまのことを聞くと「未亡人になりたい」とギョッとさせ、「でも夫は毎日、ラジオ体操をやって元気なの。きっと長生きするんでしょうね」と、邦ちゃん流の愛情表現を見せてくれた

取材・文/オフィス三銃士 撮影/佐藤ヤスヒコ

やまだ・くにこ◎'80年代に『オレたちひょうきん族』『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』などの伝説的番組に出演し、人気を博す。'20年にYouTubeチャンネル『山田邦子クニチャンネル』を開設。長唄杵勝会の名取、スイカを使った化粧品ブランド『クニコスメ』の開発などマルチに活躍中。