自民党安倍派の裏金問題が波紋を広げ続けている。
「パーティー券の販売ノルマを超えた収入が所属議員側にキックバックされ、収支報告書に記載されていない疑いがある問題を受けて、鈴木淳司・前総務相が記者団に“この世界でそういう文化というと変ではありますが、認識があったのかなと自分は思っています”と発言し“キックバック文化”があることを示唆しました。これには橋下徹・元大阪府知事も“一般の国民、納税者のみなさんからしたら理解不能だと思いますが、政治の世界でパー券のキックバックは与野党でやっているところが多い”とテレビ番組で発言。他の政治家たちにも共通認識というムードが浸透していて、国民と政界の認識の違いが浮き彫りになっています。鈴木前総務相の“文化発言”のせいで石田純一さんの“不倫は文化”まで引っ張り出され、なぜか石田さんまでネットで叩かれています(笑)」(全国紙政治部記者)
一般人には理解できない“政界の文化”は他にもまだまだあるようで……。ある政治ジャーナリストが語る。
「政治は夜に決まる、という独特の文化があります。会議前にはもうすでに決まっているんです。ですから衆議院本会議の中継を見ると寝ている議員も多いですよね。あれは夜の会合のせいで眠いんじゃないでしょうか(笑)。
杉村太蔵・元衆院議員が初当選したときの“料亭に行ってみたい”発言が話題になりましたが、あの反応は素直なものだったといえますよね。実際に政治は国会議事堂ではなく夜の料亭で行われているのですから」
ガムはダメでアメ玉はOK
その杉村氏はテレビ番組で、市販のペットボトルを委員会室に持ち込もうとしたら怒られたという独特の文化エピソードを披露している。
「国会議員が宣伝になるようなものを持ち込むのは基本的に禁止。アントニオ猪木さんも議員だった当時、トレードマークだった赤いマフラーを禁止されていました。ほかにもガムはダメだけれどアメ玉はOKなど独自のルールと文化があるんです」(前出・ジャーナリスト、以下同)
その程度ならまだ許せるけれど、国民が憤るのは永田町の異常な金銭感覚だ。
「麻生太郎氏が首相だったときに、野党からカップラーメンの値段を聞かれて400円と答えたことがありました。麻生さんはもともとお金持ちだから仕方ないと思われるかもしれませんが、普通の金銭感覚を持った人でも国会議員になって老舗料亭での会合にたびたび顔を出し、移動の新幹線はグリーン車に乗り放題、とさまざまな特権や便宣を受けているうちにおかしくなっていくんです。今回、裏金問題が発覚し辞任した議員たちも“運が悪かった”と思っている人のほうが多いのではないでしょうか。根本的に何が悪いのか感覚が麻痺しているんだと思います」
あしきジョーシキは早く撤廃してもらいたい。