では11月まで旧ジャニ・タレントのCMを続けている企業について、CM好感度を個別に見るとどうか。
世界最大級の日用消費財メーカーP&Gの柔軟剤入り洗剤「ボールド」のCM。Sexy Zoneの菊池風磨が「洗濯王子」に扮したコミカルな映像だ。放送回数は8月89回、9月121回、10月247回、11月364回。
好感度は以下のとおり。8月14ポイント、9月8ポイントだったものが10月には82ポイント、11月には113ポイントに。全CMの好感度総合順位では8月108位、9月182位、10月10位、11月4位と、ジャニーズ「報道ラッシュ」の影響をほとんど受けていないようにみえる。
視聴者の反応として、アンケート回答者のコメント欄をみると好意的な書き込みが少なからずある。例えば「旧ジャニーズ事務所の問題で一時はどうなるかと思いましたが、個人契約となりP&G社に好感がもてます。菊池さんの笑顔が見られて良かった」(40代主婦)。「ジャニーズ問題で(タレントが)次々と交替していく中で使われ続けて逆に好感が持てる」(50代男性)
CMが調査期間に放映されていないのに投票も
そのほか不二家のCM「はじまるよ、新しい不二家。」ではSnow Manが起用されている。あるコメントでは「ジャニーズCMがどんどんなくなる中、Snow Manを使っていて目につく。商品とSnow Manのキャラがよく合う」。
ガンホー・オンライン・エンターテインメントの「パズル&ドラゴンズ」のCM。事務所を離れた二宮和也が起用されている。視聴者コメントの中には「いつまでも見たいCM。これに限らず、会社とタレントは別だと思うけど、大人事情が許されないのかしらね」。
当研究所の調査の回答の中には、CMが調査期間に放映されていないのに記入してくるモニターもいる。「残存票」と呼んでいるが、これはそのCMやタレントへの関心度が高いがために、何かのきっかけで記憶としてよみがえったものと推察できる、「潜在的ファン」とも呼べる回答者だろう。
この残存票が、9月7日の記者会見直後に顕著に増加した。木村拓哉をはじめ中島健人、二宮和也、目黒蓮、菊池風磨らだ。ジャニーズ報道の副次効果と考えているが、タレントとしての好感度の高さがあったが故ということだろう。