リアルさで堂々2位の『コウノドリ』

 2位は2015年放送の綾野剛主演『コウノドリ』。産婦人科を舞台にした医療ドラマだ。視聴率の高かった『JIN-仁-』や『Dr.コトー診療所』を抑えてのランクインに少し意外な気もするが、30代を中心とした若い医師から圧倒的な支持を得た。

「患者の背景含め本当にリアルに描かれており、いい意味で視聴するのに覚悟がいりました」(消化器内科・和田蔵人先生・30代)

「産婦人科医師の視点から見ても実際の医療現場と比較して違和感がなく、内容も考えさせられるものでした」(同愛記念病院産婦人科・小泉美奈子先生・40代)

 医師から見てリアルな点が評価されたようだ。“リアルさ”は医師にとって重要らしい。こんな意見があった。

「医者が医療ドラマを見ていると、実際にはあり得ない治療や手術に思いっきりツッコミを入れるので、一緒にテレビを見ている家族から嫌われます」(秋津医院院長・秋津壽男先生・60代)

 同様のコメントが他の医師からもあったから“医者あるある”のようだ。

 第3位の『Dr.コトー診療所』と第4位の『JIN-仁-』は続編や映画も制作された人気作品。

『Dr.コトー』には自身の境遇と重ね合わせたコメントが寄せられた。

『Dr.コトー診療所』の映画化にあたり、16年ぶりにキャストやスタッフが集結
『Dr.コトー診療所』の映画化にあたり、16年ぶりにキャストやスタッフが集結

「僻地ならではの人間関係がよく描写されています。以前に自分も地方の1人医師診療所に勤務したことがあるので自分の経験とも重なるところがあります」(東京都市大学人間科学部学部長・早坂信哉先生・50代)

「自分が地域医療をやっていたときの気持ちを思い出します。現在の職場での風景と似ていることも親近感が」(久里浜医療センター内視鏡部長・水上健先生・50代)

「主人公がタイムスリップした幕末に抗菌薬の発明や輸液技術がもしあったら歴史は変わっていた可能性があると思うとゾクゾクします」(宮津武田病院長・曽根淳史先生・60代)というのは『JIN』へのコメント。

 5位の『振り返れば奴がいる』織田裕二と石黒賢のダブル主演で、脚本は三谷幸喜。

『振り返れば奴がいる』でダブル主演だった織田裕二と石黒賢
『振り返れば奴がいる』でダブル主演だった織田裕二と石黒賢

「当時小6だったのですが、テレビの前に食いついてました。織田裕二さんと石黒賢さんのタイプの違う医者の面白さ、ハラハラしながら見ていました! さらにチャゲアスの歌! 最高な時代でしたね!!」(前出、石原先生)

 主題歌はCHAGE&ASKAの『YAH YAH YAH』。バブルの香りがする作品だ。