少数意見にも医師ならではの視点

 上位には入らなかったが医師ならではの視点で選ばれた作品をいくつかご紹介。

 まずは中居正広主演の『白い影』(2001年)。

「末期がんに侵された自暴自棄でニヒルな医師(中居正広)が、彼に惹かれる看護師の愛によって素直になって死んでいくところが好きです。イライラして人に当たるようながん患者さんが、家族の愛によって、素直になって亡くなっていくことがよくあるので、そのあたりの描き方は医師でもあった渡辺淳一さんならではだなあと感心して見ました」(健康増進クリニック院長・水上治先生・70代)

 続いて、石原さとみ主演の『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(2020年)。

「日の当たらない薬剤師に注目していて薬剤師の業界では大変盛り上がっていました。病院薬剤師とドラッグストアの薬剤師の間の溝のようなものも、うまく出ていたように思います」(神戸大学名誉教授・平井みどり先生・70代)

 そして、『救命病棟24時』(1999年)。指導医(オーベン)役を江口洋介、研修医役を松嶋菜々子が演じたのを見て……、

『救命病棟24時』('99年)
『救命病棟24時』('99年)

医師になってから仲間うちで、『あんなにカッコいいオーベンはいない、あんなにかわいい研修医もいない』と言い合ったことがあります」(いながき乳腺クリニック院長・稲垣麻美先生・40代)

 ドラマと現実が違うのは、医療の世界も同じなのだ。

 名作ぞろいの医療ドラマ、今後も目が離せない!

医師30人が選ぶ『もう一度見たい医療ドラマランキング』
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