記者たちの笑いを誘った秋篠宮さま
紀子さまを担当した医師の会見では、佳子さまが生まれてすぐに「オギャー」と泣き、とても元気だったことが明かされた。母親が抱きかかえ、それからお湯で身体を洗った後、佳子さまに母乳をあげたことなどを医師は説明した。
'95年1月6日、佳子さまが母親に抱かれて宮内庁病院を退院する映像を見た。玄関に医師や看護師がズラリと並び、2人を見送った。秋篠宮さまが付き添っていた。「佳子さまのご様子はいかがでございますか」。このように記者から問われたが、ピンクのスーツ姿の紀子さまは、はにかみながら笑顔を見せただけで直接、質問に答えることはなかった。「佳子さまのことを何とお呼びしているのですか」。記者の問いかけに、今度は秋篠宮さまが「今は『かこちゃん』と呼んでいます」と応じる。「眞子さまと似ていらっしゃいますか」と尋ねられた父親は「そんなに似ていないんじゃあないですかね」と話し、記者たちの笑いを誘った。
秋篠宮さまと紀子さまの結婚('90年6月29日)の前から、'91年10月23日、眞子さんが誕生した後まで、私は宮内庁取材を担当する記者だった。長女が生まれ、見舞いに訪れた秋篠宮さまを、記者のひとりとしてやはり宮内庁病院前で取材した経験を持つ。それだけに、佳子さまが生まれたとき、病院前で繰り広げられた秋篠宮さまと記者たちが受け答えする動画がとても懐かしく、記者たちはかなり緊張して声をかけていたことなどを思い出した。
現在、佳子さまは29歳で独身だが、秋篠宮さまが同じ29歳のときは、すでに結婚し2人の娘を持つ父親だった。そんな彼が'94年11月、29歳の誕生日を目前にした記者会見で記者から「20代最後の一年を迎えるにあたっての抱負をお聞かせください」と尋ねられ、このように答えた。
「早いもので、あと一年で三十路の大台ということになるわけですけれども、今後も今までと同様にですね、頼まれたり、それから与えられたりした仕事を一つひとつ大切に務めていきたいと思っております」