電動キックボードのナンバーは、2023年7月に道路交通法改正に伴って定められた『特定小型原動機付自転車』専用の新しいサイズのものと、それ以前に使用されていた原動機付自転車のものがある。
「LUUPを含むシェアリング事業者のキックボードは、2023年6月まで政府によるルール整備のための実証実験に参加しており、道路交通法上は『小型特殊自動車』扱いでしたが、道路運送車両法上は『原動機付自転車』扱いだったことから、原動機付自転車のナンバープレートをつける必要がありました。
しかし、既存の原動機付自転車のナンバープレートは電動キックボードの車幅に対して合っておらず、ご指摘のとおり段差等で不具合が生じてしまうケースがありました。そのため、今回の道路交通法改正を機に、電動キックボード等のマイクロモビリティに合った小さなサイズのナンバープレートが採用されたのだと理解しています」
現在も“旧ナンバー”は使用が認められており、混在しているのが現状だ。
問題は利用者のマナーにも
ナンバーの破損と同様に問題視されているのがマナーだ。
《都内のLUUPは自転車のような感覚で車道を逆送する様子を毎日見かける 歩道をふつうに走るしイヤホンつけたままだし交通ルール無視 一方通行逆送気持ちよさそうに》
《渋谷区の自転車と電動キックボードは交通ルールを守らなくていいみたい 信号無視して突っ込んでも取り締まりの対象ではないようだ》
《横浜(みなとみらい)にも、渋谷区ナンバーのLUUPが走行してるんですが、歩道走行禁止の設定で歩道をかっ飛ばすもんだから危なくてしょうがない…》
「弊社では、誰もが安全・安心に移動できる社会の実現を目指しております。一部の悪質な利用者が違反をしている状況は認識しており、弊社としても遺憾であり、重く受け止めております。そのため、繰り返される違法走行に対しては啓発や罰則をはじめとした不断の取り組みが重要であると考えています」(前出・Luup広報担当者、以下同)
対策としてLUUPでは乗車するためには走行ルールのテストの合格、また年齢確認書類の登録などを必要としている。
一方で、本件取材中に記者も夜間に利用する若者3人を目撃。3人が横並びになって走行し、信号での停車時は、横断歩道まではみ出していた。テンションと声の音量が異様に高かったのは気のせいか……。
「飲酒運転など、交通事故につながりかねないような重大な違反をした利用者に関しては、そのような行為を把握次第、アカウント凍結などの対応を行なっています」
サービス提供側だけでなく、利用者側の意識、マナー、協力が加わって安全は生まれる。何かあってからでは遅い。対策や取り締まり、対してマナー違反や抜け道──いたちごっこにならぬよう……。