蜷川幸雄作品での伝説エピソード

 国民的女優として活躍する吉高だが、その歩みは高校生のときにスカウトされてからスタートする。'08年に公開された映画『蛇にピアス』では、10代でヌード姿を披露して話題を呼んだ。

大河撮影のため乗馬の練習に励む吉高由里子(本人のXより)
大河撮影のため乗馬の練習に励む吉高由里子(本人のXより)
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『蛇にピアス』のオーディションでヒロインに選ばれた吉高さんは、蜷川幸雄監督に“カラダを見なくて大丈夫なんですか? 見てから決めてください”と言い放ち、裸になったというエピソードは伝説です。また、映画の撮影前には交通事故に遭い、顔半分の皮膚が剥がれるケガを負ったそう。降板かと思われましたが、ケガはたった1か月半ほどで完治したんですよ」(映画ライター)

 度胸もあれば、運にも恵まれた。連ドラへの出演も増えていき、女優として階段を駆け上がっていったが……。

「今でこそ愛嬌いっぱいに撮影現場を明るくしてくれるムードメーカーの吉高さんですが、『蛇にピアス』に出演した当時は、またちょっと違う印象でした。まだ駆け出しだったというのもあったのでしょうけど、余裕がないというか……。吉高さんが不遜な態度をとったため“事務所にクレームが入った”という話も聞きました」(ドラマ制作会社関係者、以下同)

 吉高は、雑誌インタビューで当時についてこう語っている。

《自分のセリフだけ覚えて現場で言って、家に帰っていた頃のほうが疲れました。長いなーとか、早く終わらないかなーとか。待ち時間とかも『なんだ? この時間』とか思ってて》

 機械的に、淡々と仕事をこなす日々だったが、出番のない“ヒマな時間”を潰すためのあることを吉高はひらめく。

撮影スタッフの名前を覚えることでした。せっかく一緒に仕事をする仲間なのだから、名前を覚えて思い出をつくる努力を始めたそうですよ。以前に撮影で一緒だったカメラマンのことを覚えていて“久しぶり~!”と声をかける姿を見たときは驚きました。しかも、そうやって覚えているのは、1人だけじゃないんです。緊張からか、壁をつくってしまう共演者ともすぐに打ち解けて笑顔にしてしまう。共演したある俳優は“吉高ちゃんに恋しちゃいそうだよ”なんて話していましたよ(笑)」