普段の化粧落としが原因かも
私たちの皮膚には、外部からのウイルスや細菌などをバリアする働きがある。そのためバリア機能がしっかり働いていれば、花粉が接触しても大きな刺激にはならない。
ところが、このバリア機能が壊れていると、花粉が肌の表皮に入り込みやすくなって、アレルギー反応が起こりやすくなり、皮膚症状が出やすくなってしまうと考えられている。
では花粉症による「皮膚症状」とは、具体的にどういう症状なのだろうか。
横関先生によると、一般的に多いのが、目の周りやほお、首など顔の露出部分に、赤みの強い斑ができることだという。水疱などのブツブツではなく、一見じんましんのような赤い斑ができるのが特徴だ。
発症しやすい時季は、スギ花粉が飛ぶ春先や、秋花粉といわれるブタクサの花粉が飛散しやすい11月や12月が中心で、他の季節には発症しないことが多い。
「患者さんは中高年女性もいますが、特に若い女性に多く、男性は少ないです。若い女性が多い理由ははっきりわかりませんが、必要以上に洗顔をしたり、一生懸命お化粧を落としたりして、かえって肌のバリア機能を壊してしまっている可能性があります」
つまり、化粧が残っているとかぶれるからと、何度も洗顔をしたり、メイク落としを念入りにしすぎたりすると、肌を守っているつもりが、逆に肌を弱くさせてしまっているということ。
特にメイクをしっかりとした日には、ゴシゴシと落としがちなので気をつけたいが、このことは若い女性に限った話ではないといえそうだ。
横関先生のもとには、花粉症ではなく、「化粧品にかぶれたのでは」と来院するケースもあるという。ところが実際には、皮膚のバリア機能が壊れてしまい、それが原因で肌荒れになっていることもあるそう。
ただ、美容液やアイライナー、ヘアカラー(毛染め染毛剤)によるかぶれは、目の周りが赤くなるなど、花粉症による肌荒れと区別がつきにくい。そのため診察では血液検査やパッチテストなどを行い、原因を特定している。