外国人観光客から皇居の人気は高い
東京の玄関口である東京駅やデパート、有名ブランドショップがひしめく銀座からもそう遠くない場所に、こんなゆったりとした美しい空間がある。外国人観光客からも皇居の人気は高く、この日も7、8割は海外からの訪問客だった。近くにいた関係者に尋ねると、それでもこの日は新年一般参賀が予定されていたので日本人が多いのだという。
「平日なら9割以上が外国人ですよ」との答えが返ってきて、私は大いに驚いた。「ハッピーニューイヤー」。声をかけ、皇居をバックに記念写真を撮る海外からの訪問客は途切れることがなかった。
2014年1月2日、今からちょうど10年前の新年一般参賀の人波の中に佳子さまの姿があった。彼女が成年皇族となる前年のことで「一般参賀がどんな様子なのか。一度、体験してみたい」との本人からの希望があり、秋篠宮ご夫妻の知人夫婦と一緒に一般参賀に訪れた。宮殿のベランダに上皇ご夫妻(当時の天皇、皇后両陛下)や天皇、皇后両陛下(当時の皇太子ご夫妻)、それに、秋篠宮ご夫妻と姉の小室眞子さんたちが並び、佳子さまを含む参賀の人たちからの祝意に笑顔で手を振り応えていた。
一般国民に交じって佳子さまは、どんな思いで両親や姉たちを見上げていたのだろう。翌'15年正月、佳子さまは秋篠宮ご一家の一員として宮殿のベランダに立ち、参賀者からの祝賀に堂々と応えたが、前年の体験がどのように生かされたのだろうか。いろいろ興味深いが、見る側から見られる側へ、視点を変えて物事を見ることの大切さを佳子さまは学んだのかもしれない。
話はさかのぼるが、'03年8月に、秋篠宮ご夫妻と小室眞子さん、佳子さまはタイを訪問した。眞子さんと佳子さまにとっては初めての外国訪問だった。この年11月20日、誕生日を前にした会見で記者たちから「(略)外国の文化に直接触れ、貴重な経験をされたと伺っています(略)お子さまにとってどのような意義や変化があったと感じていらっしゃいますか」などと尋ねられ、秋篠宮さまは次のように答えた。
「外国に行って日本と違う文化に触れる、これは大変良いことだと思います。日本とはまったく違う文化に触れ、そこで日本との違いというものを感じることができると思います。しかし、一方で同じアジアの国で日本と非常に似ている点、共通している点にも気がつくのではないか、そのことによって、さらに日本の文化を理解するひとつの契機になるのではないかと思いました」。
紀子さまは「国内旅行をしたり、外国を訪問して人々の生活や文化に触れたりすることは、自分の国への理解を深めることにつながり、若いときにそのような経験をすることは大切ではないかと考えております」と話した。