――ではここでエイジング枠から、セーラー服を脱いで早何十年、「セーラー服と機関銃」を熱唱した薬師丸ひろ子さんもついにアラ還ですが……。

呂「彼女の一番のチャームポイントである丸い目は健在ですが、ややふっくらされたような……? ボディラインの出ない衣装なのでわかりませんが、フェイスラインがふっくらして見えます。

 でもそのおかげか、シワは目立たないですね。年を取ってあまり痩せていると、シワやたるみが目立ちやすくなるんです」

――なるほど! 適度なふっくら感はアンチエイジングには必要なんですね。

呂「はい。なので、ある程度の年齢で体重ばかり気にするのは危険です。例えば、あご下のむっちり感が気になるなら脂肪吸引やハイフなど、パーツごとに医療的なアプローチをするのをおすすめします」

――他に薬師丸さんのエイジングポイントはありますか?

呂「年齢的に自然なことですが、目の下やマリオネットラインに少したるみが見えるかな? 年齢を考えたら十分おきれいですが、もしこのケアをしたいと言うなら、目の下は余分な脂肪を取り、引き上げる目の下のフェイスリフト。マリオネットラインもヒアルロン酸で膨らませて不自然にするよりは、切開するフェイスリフト手術がいいかもしれません」

――注入系ではなく根本的解決というわけですね。では、薬師丸さんのかわいらしさでもありますが、目尻のシワなどはいかがでしょうか?

呂「シワ系はボトックス注射ですね。若い方でも目尻は表情ジワが出やすいですし、打たれる方は多いですよ。他にも顎先のウメボシシジワなどにも有効です」

――ところで、年齢は70歳と薬師丸さんよりだいぶ上ですが、同じく昭和年代にご活躍された元キャンディーズの伊藤蘭さん。まったくと言っていいほど体型も変わらず驚きました!

伊藤蘭
伊藤蘭

「確かに、昔の衣装も入りそうなほどですね! 先ほど“痩せ”について話しましたが、若い頃から体型が変わらないというのは、つまり不要に皮膚が伸び縮みしないので、たるみにはいいんです! 体型もですし、肌ケアや私生活、今までのメンテナンスの総決算が出るのが伊藤さんのような70代だと思いますが、そういう意味では満点の美しさです」

――先ほどの薬師丸さんとはお顔のタイプも違いますが、そこでも差は出るのでしょうか?

呂「はい。薬師丸さんは顔のパーツが中心に寄っていて、伊藤さんは離れ気味。こういった“離れ顔”さんって老けにくいんです」

――となると、2023年の紅白、美的優勝者は……?

呂「元キャンディーズの伊藤蘭さんです! 70代でこんなにおきれいなんて、出演者みんなに勇気を与えたと思います。もちろん、テレビで観ていた往年のファンの期待も裏切らず、素晴らしい美しさと、それを維持されています。“伊藤蘭の美の秘密”を放送したら、もしかすると紅白より視聴率が取れるかも!?」

今回お話を伺ったのは……
呂 秀彦(ロ ヒデヒコ)先生。R.O.clinic(アールオークリニック)院長。日本形成外科学会専門医。医学博士。順天堂医学部卒業後、昭和大学形成外科・美容外科、大手美容クリニックを経て2020年R.O.clinic開院。患者一人ひとりに真心と誠意を持って、丁寧なカウンセリングとオーダーメイドの治療が好評。日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAPS)に所属。