縛り付けのような就業条件

 合格した場合には辞退することができない。医師になっても、最低9年間は山梨県が指定する医療機関で働かなくてはならず、診療科まで指定されてしまう。

 結婚や介護、子育てなどでは、仕事を休めない(就業義務)という、かなり縛り付けられた条件となっているのだ。

 さらに、違反した場合は出身高校に連絡がいく可能性があるという“脅し”のような条件も書かれていた。

 衝撃的な内容にネット上では、

《ここまでするくらいなら医師の給与増やした方が早いような気がする》

《診療科まで限定されるのは確かに奴隷契約》

《就業義務消えないのはアカンきがする》

 などの批判的な声が集まる一方、

《どこの地域枠も同じ感じだけどな》

《受験者本人が条件について納得の上で受験するのであればいいんじゃないか?》

 といった声も上がっていた。

 この誓約書について昭和大学に確認したところ、山梨県地域枠選抜入試に関するものであるとしたうえで、

「修学資金の貸与を受けるための契約を締結することや、所定の医療機関等で一定の期間勤務することについて誓約することは、一般的な内容であると認識しております」

 との回答だった。

 地方の医師不足と医師を目指す人たちの将来の選択肢と、双方がうまくいく着地点を見つけてほしい。