取材前日にクランクアップ。泣かないと決めていたのに、帰宅後に号泣してしまったという。

「本当に温かくて、終わってほしくない現場で。クランクアップの際に『大渡海』の表紙を模して作ったみんなの写真集&寄せ書きをいただいて。大切すぎてまだ読めていないんですが、きっと大号泣すると思います」

自分を好きになるきっかけは意図せぬところに

 みどりのように、希望とは異なる場所に身を置くことになった経験を尋ねると、

「あります」

 モデルとして人気を博し、演技にも挑戦するようになっていく中で、

そもそもは、お芝居をやりたいと夢見たことはなくて。演出を受けたこともなかったですし、“次は右、次は左”みたいな指示を受けることは苦手なほうで。もともと図画工作の時間でも、課題とは一風変わったものを作りたくなるタイプ。早起きも、人に言葉をうまく伝えることも苦手だったので、まさか人前で演技をするなんて考えられなかったんですけど……」

 モデル時代は“カッコいい自分”を見てもらうために努力を重ねていたが、

「お芝居で初めて触れる感情や自分自身が知らない自分に出会えて。“こんなに惨めな泣き方ができるんだ”とか“こんなに情けなくなれるんだ”とか。モデルももちろんプロフェッショナルなお仕事ですが、感情の深いところには手が届かなかった。今作の1話は涙するシーンから始まりますが、自分の見え方なんて忘れて、感情が爆発していて。そんなシーンの後には手が震えたりするんですよね。自分の気持ちを超えてるから。最初はどこか不本意とすら思っていたのに、この仕事だからこそ出会えることがあると知りましたし、自分を好きになるきっかけは意図せぬところにあったりする。だから、みどりちゃんにも“大丈夫、続けてごらん”と言ってあげたいです