あり得ない設定にも違和感から「イラッ」
オンラインフードの注文・配達プラットフォーム『Uber Eats』のCMは、サービス名を連呼するわけではないが「ウーバーイーツでいいんじゃな~い?」というキラーフレーズが登場する。このCMには夏木マリ(71)演じる姑が、息子夫婦にウーバーイーツの利用を促す様子がたびたび描かれるのだが……。
「あんな派手な姑に『ウーバーイーツでいいんじゃない?』と言われたら、本当は頼みたくなくても、夏木マリさんの“圧”でオーダーしちゃいますよね。そもそも、お金を払うのはお嫁さんなのでは? 息子夫婦は地味な風貌なので、家庭内のパワーバランスを勘ぐってしまい、あまりいい印象がないです」(かなつさん)
アンケートにも「いつも姑がウーバーイーツを頼ませているが『お金を払うのはおまえじゃないだろ』とツッコんでいる」(栃木県・51歳)という意見や「『夏木マリが姑なら、嫁姑うまくいってる感出せるやろ』という思惑が透けてきてムカつく」(大阪府・59歳)など、キャスティングに物申す声も散見された。“狙いすぎ”な配役は、視聴者をイラつかせるリスクがあるようだ。
実際に視聴者がCMの出演タレントに反感を抱き、炎上に発展したケースもある。2023年末、『最強どん兵衛』のCMに起用されたモデル兼タレントのアンミカ(51)は、派手なドレスとキツネ耳で豪快なダンスを披露している。この動画が公式HPに公開されると、SNSに批判が殺到してしまったのだ。かなつさんは“アンミカーニバル騒動”についてこう分析する。
「商品は違いますが、どん兵衛といえば吉岡里帆(31)さんが演じていた“どんぎつねさん”のイメージがとても強いですよね。孤独な男性(星野源)のもとに現れる、優しくて可愛らしいどんぎつねさんが、突然、派手で元気なアンミカさんになってしまったことに、ショックを受けた視聴者が多かったのではないでしょうか。同じ日清の『U.F.O.』のCMなら、炎上しなかったかも(笑)」
かなつさんの指摘どおり、アンケートにも「吉岡里帆がよかった」(山口県・41歳)、「吉岡里帆さんのどんぎつねさんがとても良く、アンミカさんだと強すぎ……」(埼玉県・54歳)などのコメントがズラリ。
ちなみに、現在の『どん兵衛』どんぎつねシリーズは、イラストレーターや漫画家とコラボしたアニメーションCMが流れているが、残念ながら“吉岡どんぎつね”ほど話題になっていない。
アンミカのほかに、イラッとさせるCM出演者として多く名前が挙がったのは、ふるさと納税サイト『ふるなび』のCMに出演中の貴乃花光司(51)。コメントを見ると「セリフの棒読みと愛想のない表情が怖い」(北海道・46歳)、「歌がヘタだし、わざとセリフを噛んでNGにしているようにも思えてイラッとする」(埼玉県・48歳)など、その歌唱力や演技力が見る人の不安を煽っている様子。また「貴乃花の笑顔を見ると、家族のゴタゴタがチラつく」(兵庫県・46歳)との意見もあり、過去のさまざまな騒動が尾を引いているのがわかる。
「私を含め、テレビっ子世代は貴乃花に対していい印象を抱いていません。親しみやすいキャラに変えたいのかもしれませんが、失敗に終わりそうですね」(かなつさん)
CMタレントは企業の“顔”。その存在意義を問うアンケート結果となった。
「無作為に流れるCMには自分の意思が反映されていないので、意外なところでイラッとしたり、時代の変化を感じたりと、ひとつの“コンテンツ”として楽しんでいます。スキップしたい気持ちもわかりますが、たまには真剣にCMを見てみると、新たな発見があるかもしれません」(かなつさん)