外見でキャラを確立、ドラマに不可欠な存在
堂々の第1位に輝いたのは、ドランクドラゴンの塚地武雅。映画『間宮兄弟』ではキネマ旬報、ブルーリボン賞、毎日映画コンクールの新人賞を総ナメに。ドラマ『裸の大将』(フジテレビ系)で画家の山下清を演じ、役者として確固たる地位を得る。
「個性が強く存在感のある三枚目役をやらせたらピカイチ」(兵庫県・男性・69歳)
「『裸の大将』は芦谷雁之助のイメージがあったけど、今は山下清といえば塚地さん」(大阪府・女性・63歳)
と、120票を集めた。
「近年は芸人というより役者のイメージしかないくらい、今やドラマや映画に欠かせない存在になっていますね。言い方は悪いけど、彼は“ちょうどいいデブキャラ”。見た目ですでにキャラが立っていて、温かみを感じさせ、善良で人が良さそうだなと思わせてしまう。
ドラマには“ちょうどいいデブキャラ”が必要で、刑事ドラマのようなチームものや歴史ものには必ず1人はいてほしい。彼が起用されているのはそういう意味での役割も大きいと思う」
達者な演技で役になりきり、ドラマや映画で存在感を放つ芸人たち。トップ10を振り返ると、その活躍は本業以上で、もはや役者といった感がある。
「コントやモノマネなどお笑いというのは何かを演じることから始まっているので、彼らの中で演技に対するハードルは低い気がします。
上り詰めるか落ちるのか、芸人は光と闇を抱えていて、その生きざまを含めて個性的ないい顔の持ち主が多い。だから画面にいるだけで存在感がありますよね。『光る君へ』の秋山さんがまさにそうですが、絶妙な違和感を持って現れ、ドラマのフックにもなる。
芸人はそういう人材の宝庫で、今やドラマに欠かせない存在。個人的に今後注目しているのは、おいでやす小田さんで、彼は次なるメガネ枠候補。あと錦鯉の渡辺隆さんも、女性で失敗する役なんて演じさせたら面白そう(笑)」
まだまだ宝の山というドラマの芸人枠、これからも彼らの活躍から目が離せない。
芸人俳優ランキングベスト10
1位 塚地武雅 120票
2位 ビートたけし 102票
3位 原田泰造 98票
4位 友近 82票
5位 笑福亭鶴瓶 80票
6位 板尾創路 52票
7位 明石家さんま 42票
8位 角田晃広 40票
9位 児嶋一哉 37票
10位 劇団ひとり 36票
取材・文/小野寺悦子