自由診療・先進医療に財産を使い果たす
膵臓がんと診断され転移もあった50代男性・Dさん。ネットで知った“免疫療法”と称する高額の治療を主治医に黙って受けるように。借金もして大金をつぎ込むが、がんは悪化。主治医にその経緯がバレて気まずくなり、診察中もぎくしゃくするように。
▼井岡先生から
「がん治療は決して“高かろう良かろう”ではなく、高額な自由診療も生存率や副作用が明らかにされていないものがほとんど。
また“先進医療”については厚生労働省の審査を経てはいますが、保険診療として承認できる十分なデータがまだない治療であり、費用も高額です。がん治療は長期間に及ぶことも多いので、後悔しないお金の使い方を考える必要があります」
セカンドオピニオンに時間をかけすぎる
転移を伴う進行性膵臓がんと診断された60代女性・Eさんは、最初の抗がん剤治療が効かなかったため、別の抗がん剤を提案された。
悲観的になったEさんは息子にすすめられセカンドオピニオンを考えるが、気持ちの整理や病院探しに1か月以上かかった。その間に体調は悪化し、治療の選択肢も以前よりも限られることに。
▼井岡先生から
「セカンドオピニオンは治療法を広く検討し、納得して治療を受けるために有効です。ですが進行の早いがんもあり、時間をかけすぎて治療が遅れるのは問題です。
手続きの時間も必要なので、最初に病院を選ぶ段階からあらかじめセカンドオピニオンの利用を想定し、セカンドオピニオン先の情報を集めておくとよいでしょう」