菅田将暉さんには強く影響
映画の祐也のように、野村も高校卒業を機に俳優を志し芸能界へ。きっかけを聞くと、
「小さいころから映画やドラマをよく見ていて、作品の中の俳優さんを見てはカッコいいな、自分もいつかと思っていました。
特に、中学生のときに見たドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です』に主演されていた菅田将暉さんには強く影響を受けましたね。ただ、当時はそれ以上にバスケットに専念していたので」
高校でもバスケットの強豪校に進み、副キャプテンまで務めた。続ける選択肢もあったが、別のことに挑戦してみたいと、誰にも相談せず決心。それは、俳優の先輩である父・沢村一樹やモデルの兄・野村大貴がそばにいたことも大きかったという。
「ずっと父の姿を見てきたので、心のどこかで憧れがあったんだと思います。思い立ったらすぐに行動するタイプなので、即、父に電話をしたら“わかった”と言ってくれて。驚くこともなく受け入れてくれたのは、うれしかったです」
デビュー作は'22年のドラマ『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』。『silent』や『ホスト相続しちゃいました』など話題作への出演を重ね、放送中のドラマ『パーフェクトプロポーズ』では主役を飾っている。
「年齢、性別を問わず、いろいろな方々に愛される俳優になりたいと思っています。そのためにも、たくさんの作品に携わらせていただきながら、いろいろと経験を積んでいきたい。演技だけじゃなく、人間性も大事にしながら」
父親や兄からアドバイスを受けることがあるのかを聞くと、
「ほぼないですね。僕、自分が出演した作品は全部見てほしくて、“一緒に見ようよ”と誘うんです。でも“目線をもう少しこうしたほうがいい”くらいで、細かくアドバイスを受けることはないです。もしかしたら、父は言わないようにしているのかもしれない。
ただ、“自分の感性を大事にしろ”という言葉はもらいました。この仕事を始めて、改めて父のすごさを実感する日々です。僕と父は格が違いすぎて。でも、いつか追いつきたいと思っています」