英国も同様らしく、『BBC NEWS JAPAN』は1月18日、2人の病の発表を伝える記事で、「今回の2件の発表は、王室の開放性が大きく増したと受け止められている」としていた。開放性? 原文を見てみたら、「openness」だった。そうだ、オープンだ、英国の王室も、日本の皇室も開かれることを求められている。
と思ったところで、愛子さまだ。2月9日、来日したケニアのウィリアム・ルト大統領夫妻を招いての昼食会に出席した。体調不良の紀子さまに代わってのことだったという。
愛子さまが外国賓客を接遇する行事に臨んだのは初めてで、隣に座ったケニアの閣僚にスワヒリ語で挨拶し、英語で言葉を交わしたと各メディアが報じていた。愛子さまのスワヒリ語&英語、すごく聞きたい! そう思って映像を見ても音声が入っていない。
この点では英国が先をいっている。ウィリアム皇太子がキャサリン妃の手術以来、初めて公務に復帰したのは2月7日。トム・クルーズも出席したチャリティー募金のための晩餐会だった。「特にここ数日の温かなメッセージと支援に感謝する」の言葉で始まるスピーチを、そのままメディアが流している。
日本の「開放性」、まだまだこれからだ。
取材・文/矢部万紀子(やべ・まきこ)●1961年、三重県生まれ。1983年、朝日新聞社入社。『AERA』編集長代理、書籍部長などを務め、2011年退社。シニア女性誌『ハルメク』編集長を経て2017年よりフリー。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『雅子さまの笑顔 生きづらさを超えて』など