“妻の死”に縛られた兼三郎は、散骨の旅という“非日常”を体験したことで、息子と向き合うことができた。日常から抜け出したくなる瞬間は、リリーにもあるのか。
「毎日が嫌で仕方ないですよ(笑)。僕は別に快楽主義ではないけれど、少しでも面白いことを見つけようとすると、悪いことの種をまくんです。そうすると、ストレスからは逃れられなくなる」
人生を楽しむ方法は「ベテランにならず常にルーキーでいること」
いつも楽しそうなイメージがあるリリー。その秘訣は、新しいことに挑戦すること。
「プライベートでは出無精で寝てばかり。それでも、仕事で新しいことをするのは、楽しいですね。この映画の撮影を海外のスタッフとしましたし、昨年は女性向け下着のデザインをしました。読者の方も、人生を楽しくしたいと思ったら、初めての経験をするということに尽きると思います。一番のコツは、ベテランにならず常にルーキーでいることです」
映画の中で兼三郎と慧は、父と子でありながら、お互いに踏み込めない不安定さもある関係。現実でも、親子に限らずとも、意外に脆い関係はある。
「たしかに、子どもが生まれた友人には会いにくくなりますよね。だから、会う人というのは自分と似た生活環境だったり、仕事場が同じ人ばかり。でも、今は忙しい人たちも、一段落したらまた会える。寂しいって思ったりはしないですね」
人と会うのもお酒を飲むのも好き、一方で何かを決めたりするのは苦手のよう。
「予定を前から決めるのがすっごく苦手。いつ何が食べたくなるかわからないから、レストランの予約とかも、自分では絶対できないですね。食通の友人がいなかったら、予約しないといけない店には絶対に行けないですよ(笑)」
そんな彼が、読者にオススメする“オトナの理想のデート”とは?
「雪深い温泉。深ければ深いほど良いですね。普段のデートではマッサージに行きたいです。ガールフレンドに限らず、友達と並んでマッサージに行くとか、よくしますよ。20代のときはそんなこと思ったこともなかったから、年を取ったな~って」
“推し活”が流行っている昨今。読者にはBTSファンが多いことを告げると……、
「僕はK-POP第1世代。Baby V.O.Xが来日したときもライブに行きました。K-POPは生活の中にはもう欠かせないですよね」