コラーゲンは機能性表示食品かを確認、期待しすぎずに
タンパク質の一種であるコラーゲン。身体のさまざまな組織を構成する成分だ。
「コラーゲンはアミノ酸で構成されていますが、加水分解などの方法で吸収されやすくしたものがコラーゲンペプチド。アミノ酸が数個結合したものです。
これを試験管中のヒフをつくる線維芽細胞に振りかけると、コラーゲンをつくり始めるのが確認されています。なので“肌の潤いに役立つ”“関節の曲げ伸ばしを助ける”等々に関してはいいのかもしれません」
そのために利用するのならば、「機能性表示食品」であることもひとつの指標と大野先生。事業者の責任で、科学的根拠を基に商品パッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られた食品である。
消費者庁のWEBページで機能性表示食品の「届出情報検索」ができる。そこで国が認めた食品を確認するといいだろう。
ただし、コラーゲンペプチド含有食品を食べれば60歳の肌が20歳のときのように若返ったり、関節痛を一掃するものではない点には留意を。
「肌の保湿量の改善維持は認められているものの、その効き目はわずか。期待しすぎは禁物です。肌や関節の悩み改善ならば、すべきことは他にもあります」
肌の悩みなら、紫外線ブロックのクリームやジェルの使用などを考えたい。
「関節は、筋肉と連動した器官です。筋肉量が落ちているから関節に負担がかかって痛むのです。筋トレやストレッチ、腰痛体操などが有効です」
デトックスなど身体に優しそうな言葉も実は……
身体から毒素や老廃物を排出するデトックス。半身浴、岩盤浴、断食などありとあらゆる方法が「デトックス効果あり」と主張し、ダイエット効果などを謳うケースも。
中には足裏に特殊な樹液が含まれたシートを貼って寝るだけで、翌朝にはシートが茶色く変色しているというものなども。体内の毒素が排出され、病気に打ち勝つ免疫力も強化されるというふれこみのようだが……。
「そもそも毒素とは何なのかというところも曖昧。現在のところデトックスというもの自体、あまり意味がないと考えられています」
樹液シートの変色に関しては、体内毒素が排出(はいしゅつ)されたわけでなく、体温や湿気によって変色する成分が含まれているからに過ぎないとか。
「足裏の汗腺を通じて汗と一緒に毒素が排出されるとしていますが、汗腺にはそのような機能などないでしょう。これに関しては、マジックのようなものでしょうね」
そうした健康そうな言葉が一人歩きしていると話す。
「〈自然〉、〈天然素材〉、〈ナチュラル〉など、身体に優しそうなイメージで販売されているものもが多いが、自然・天然であることが安全を保証しているものではない点には注意が必要です」