相談数が多い詐欺的手口4
老人ホーム入居権トラブル
(1)「あなたは入居権を持っている」「名義を貸して」などと電話で持ちかける
(2)「権利を譲るためにお金を振り込む必要がある」などお金の支払いを迫る
(3)「名義貸しは罪になる」「警察に相談すると大変なことになる」などと脅される
還付金詐欺
(1)役所などを名乗り「お金が返ってくる」という電話がかかってくる
(2)銀行などのATMに誘導され、お金の振り込みを指示される。またはインターネットバンキングで手続きすると言われ、口座番号と暗証番号を聞き出される
屋根工事の点検商法
(1)突然訪問し「屋根が浮いている。無料で点検してあげる」などと親切心を強調
(2)点検後、「このままだと瓦が飛んで近所に迷惑がかかる」などと不安をあおる
(3)「この場で契約するなら特別に安くする」などお得を謳った後、別の箇所も工事が必要と言い出し高額な契約を迫る
貴金属の訪問押し買い
(1)「なんでもいいから不用品を売ってほしい」と来訪の約束をさせる
(2)訪問し、玄関先から家に上がろうとする
(3)不用品以外の貴金属などを強引に安い金額で買い取られる
教えてくれたのは……伊藤 建弁護士●法律事務所Z、代表弁護士。消費者被害、公共政策、事業支援を得意分野とする。慶應義塾大学法学部政治学科卒業、同大学法科大学院修了。日本海ガス株式会社に在籍後、2022年に現事務所を創立。富山県弁護士会所属。
国民生活センター相談情報部●国民生活センターは消費者庁が運営する独立行政法人で消費者問題の中核機関。消費生活に関する情報を全国の消費生活センターから収集し、消費者被害の未然防止・拡大防止を担う。今回は相談情報部の3人に話を聞いた。
取材・文/百瀬康司