短期で結果を出すパーソナルジム

「短期間で身体を変えることにこだわると、当然大きな負担がかかります。その結果、さまざまな部位に痛みが出るリスクが高まります。私は肩の専門で診察をしているので、腱板(けんばん)断裂や肩鎖関節炎などを実際に見てきました。

 それだけでなく糖質を完全にカットするなど、極端な食事法を指導されることもあるようです」

 パーソナルトレーニングの健康被害は昨今問題になっており、令和4年には国民生活センターが健康被害例を紹介するほど。

 デッドリフトというトレーニングを指導された30代女性が、腰椎と仙骨を骨折したという報告や、徹底した糖質制限の結果、湿疹が出てしまったというケースもあった。

「これは皮膚科で色素性痒疹(ようしん)という診断だったようです。糖質を制限すると身体は代わりに脂肪をエネルギーとして使いますが、その脂肪が分解されるときに脂肪酸の一部は肝臓でケトン体という物質に変わる。

 このケトン体が過剰になると“ケトーシス”という状態になり、色素性痒疹を引き起こす可能性もあります。極端な方法を選ばず、時間をかけて行うことが大切ですね」