目次
Page 1
ー コロナ禍で口臭を自覚し出す人が増加
Page 2
ー 歯の汚れの4割が取り除けていない
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ー ホルモンバランスの変化も口臭の原因に

 

「マスクをしていたら、自分の口が臭うのに気づいた……」

 あなたも思い当たる節はないだろうか。実はコロナ禍以降、そう言って歯科へ来院する人が増えているという。実情を教えてくれたのは、日本歯科総合研究所代表で歯科医の森下真紀先生だ。

コロナ禍で口臭を自覚し出す人が増加

「自分の口臭には、なかなか気づきにくい。マスクで口元が覆われたことで、初めて自覚したという人も多いです。しかし、『口臭がする』というのは、れっきとした口内環境悪化のサイン。そのままにしておくのは大きな問題です」

 ときには臭いで相手を不快にさせる「スメハラ」にもつながりかねない口臭。実は、世界的にみても日本人の口臭はキツいと悪名高いのだ。

 それを裏付けるのが、在日外国人100人に対して行われたアンケート。この調査によると、「日本人の口臭にガッカリした経験はあるか?」という問いに対して「はい」と答えた人はなんと72%!

在日外国人100人にアンケ―トをしたところ、約7割の人が日本人の口臭にガッカリしたことがあると回答。(出典:オーラルプロテクトコンソーシアム調査)
在日外国人100人にアンケ―トをしたところ、約7割の人が日本人の口臭にガッカリしたことがあると回答。(出典:オーラルプロテクトコンソーシアム調査)

 また、「日本人にオーラルケアを徹底してほしいか?」という質問に「非常にそう思う」「そう思う」と回答した人の合計も同じ72%だった。

オーラルケアを徹底してほしいかという質問にも約7割の人がもっと徹底してほしいと答えた。(出典:オーラルプロテクトコンソーシアム調査)
オーラルケアを徹底してほしいかという質問にも約7割の人がもっと徹底してほしいと答えた。(出典:オーラルプロテクトコンソーシアム調査)

 街ゆく外国人にちょっと聞いてみただけでも、「日本は大好きだけど、口臭はひどいね。正直、あの臭いに勝てる国はないよ」とか、「デートした人みんな口がくさかった。歯磨きとフロスが足りてない」といった声が聞けた。

 欧米人は、ハグやキスなどのスキンシップが日常的。なので、口臭を含めた体臭全般の評価にとても厳しいという。

「欧米では、『きれいなは正しい自己管理の証拠』とみなされます。並びもそうですが、口臭がしたり、が黄ばんだりしていると、品性を疑われ仕事の担当を外されてしまうことも。

 日本人は欧米人よりパーソナルスペースの距離が遠く、また、大きく口を開けて笑うのははしたないという意識があります。口臭を気にする必要に迫られることが比較的少ないこともあって、ケア意識も甘くなりがち」(森下先生、以下同)

 また、欧米では抜けや銀が貧困の象徴と捉えられてしまうため、子どものころから歯科治療や列矯正にお金をかけるのが当たり前。

 定期的に歯科検診に通いケアを行うのは、日常的な行為として定着している。これも日本との大きな違いだろう。