目次
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ー 人生初の人間ドックでステージ3のがん
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ー YouTubeでの告白が13万回再生
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ー 「仕事をすること自体が強いマインドに」

「人間ドックで、腎臓と肺の2か所に腫瘍が発見されて。腫瘍はそれぞれ6cmほどあり、ステージ4だろうということでした。ステージ4が何なのかもよくわからない状況だったけど、最悪の事態なことはわかる。俺死ぬの?目の前の仕事どうするの?いつまで仕事を受けていいの?子どもはまだ学生なんだけど──って、もうお先真っ暗でした

 そう話すのは、ITジャーナリストの三上洋さん(59)。昨年末にがんが見つかり、現在も通院・治療を続けている。

人生初の人間ドックでステージ3のがん

 自覚症状は一切なく、がん発見は身体のとある不具合がきっかけだった。

「あるとき両膝に痛みを感じて、整形外科で検査をしたら、先生に何が原因かわからないと言われたんです。じゃあ調べるしかないと。私自身は躊躇(ちゅうちょ)していたけれど、妻と子どもに行けと言われ人間ドックへ。

 これでがんが見つかったわけで家族に感謝です。ただ、今でも両膝の痛みとの因果関係はわかっていません

 もともと健康には自信があった三上さん。26歳でフリーランスになり、以来30年以上健康診断の類いは一度も受けてこなかった。人生初の人間ドックである。

「まずエコー検査を受けたけど、それがやたら長かった。終わった後もしばらく待たされて。普通人間ドックってその日は検査だけで、結果は後日となるじゃないですか。でも先生に呼ばれて、腫瘍がくっきり見えますと、人間ドック当日に言われました

 紹介状を手に、大病院の門を叩く。精密検査の結果、右の腎臓と右の肺にそれぞれ異なるがんが確認された。

転移かと思ったら、2か所に全然違うがんが同時発生していたそうです。そんなことあるんですかと先生に聞いたら、珍しいけど特異なことではないと言っていましたね。転移の場合はステージ4だったけど、別々のがんということで、ステージ3の診断になって。腎臓と肺、個別に治療することになりました

 まずは腎臓がんの治療からスタート。腎臓がんは「淡明細胞型腎細胞がん」で、ステージ1Bの早期がんとの診断だった。昨年12月27日に内視鏡手術で右腎臓を全摘。人間ドックを受けてから、わずか4週間後のことだ。

「肺がんの治療が控えているし、それだけ深刻だったってことです。お腹にいくつか穴をあけ、そのうち2つをつないで、腎臓を丸ごと取り出しています。当初の予想より腫瘍は小さく、約4cm大でした」