ムロ降板で旧ジャニに頼った日テレ
一方、『セクシー田中さん』原作者の急死問題が続くなか、4月期ドラマをスタートさせる日本テレビの対応にも注目が集まっている。
4月期の日テレドラマに主演が内定していたムロツヨシ(48)が緊急降板。
ムロが主演予定だったドラマが小学館の漫画原作モノで、しかも『セクシー田中さん』と同じ人物がプロデューサーを務めることになっていた。
このドラマ制作が世間から問題視されたため、作品だけ変えてキャストは継続するという異例の対応が取られる流れになっていたが、その代替ドラマへの出演をムロが辞退したというわけである。
そして、主演予定だったムロが降板したことで、白羽の矢が立ったのが旧ジャニのSixTONES・森本慎太郎(26)。彼がGP帯単独初主演することになった『街並み照らすヤツら』は、原作のないオリジナル作品だ。
日テレはこれまでに旧ジャニ主演ドラマを数多く放送しているし、毎年『24時間テレビ』のメインパーソナリティーに旧ジャニグループを抜擢。今年3月いっぱいで嵐・櫻井翔(42)がMCのバラエティー番組『1億3000万人のSHOWチャンネル』を終了させているとはいえ、テレ朝以上にべったりのイメージを持っている人も多いはず。
『セクシー田中さん』事件の余波でムロ主演ドラマがぽしゃったため、日テレのドラマ班がてんやわんやしていたことは想像に難くなく、森本が急遽オファーされた主演を引き受けてくれたということは、旧ジャニが日テレに貸しを作った形になる。
そのため日テレは、今後さらに旧ジャニ俳優の主演ドラマを量産していくことになるかもしれない。
余談だが、異例の短期間で台本を頭に入れて役作りしなくてはいけない森本の苦労は相当なものだろう。が、彼にとっては“やり得”になる可能性が高そう。
というのも、もしもドラマが大コケした場合、普通なら主演俳優が責任を追及されてしまうことが多いが、今回に限っては責められるのは間違いなく日テレで、森本には同情票が集まるに違いない。そして、ヒットしても日テレが称賛されることはなく、森本が大絶賛されることになるだろう。
森本の労力やプレッシャーは大変なものになっているだろうが、俯瞰してみると森本にとって“負けはない戦い”と言えるのである。
――4月期は旧ジャニに、テレ朝が依存状態で日テレが助けてもらった形になっており、フジは4月期だけ見ると決別しているようにも思える。
ただそれはあくまで4月期というミクロ視点の話。テレビ局の体質はそうそう変わらないだろうから、マクロ視点の長い目で考えた場合、フジも旧ジャニに頼る時期がまた来るのではないだろうか。