3位には最高視聴率30%超えの大ヒットドラマ『ずっとあなたが好きだった』('92年 TBS系)がランクイン。「不倫の行方よりも冬彦さんの恐ろしさ……サスペンスとして楽しんでました」(静岡県・63歳)、「佐野史郎と野際陽子の不気味親子コンビが最高だった」(神奈川県・46歳)などヒロインの夫・冬彦を演じた佐野史郎への絶賛コメントが多数寄せられた。

佐野史郎の怪演で冬彦さんブームが巻き起こった賀来千香子主演『ずっとあなたが好きだった』
佐野史郎の怪演で冬彦さんブームが巻き起こった賀来千香子主演『ずっとあなたが好きだった』
【写真】ハマった不倫ドラマ『牡丹と薔薇』『金妻』を抑えた1位は“純愛系”

「サイコパスな冬彦さんの印象が強すぎて、賀来千香子さんと布施博さんの不倫の恋なんてどっかに行っちゃった(笑)。重度のマザコンでエキセントリックな冬彦さんと母親の野際さんのキャラが立つにつれ、物語の比重もこの2人に置かれるようになって、視聴率もどんどん上がっていった。

 最終的に“ずっとあなたが好きだった”というのが冬彦さんのヒロインへの思いだったというのがわかって視聴者は号泣(笑)。これ以降、不倫をする妻の夫はクセが強い冬彦さんタイプというパターンができたほど、後世に多大な影響を与えた作品です」(カトリーヌさん)

1位はヒロインを応援する声が多数

 そして、不倫ドラマの金字塔『金曜日の妻たちへ』('83年ほか TBS系)が惜しくも2位に。「こんなにもドラマチックで明るい不倫ドラマはない」(神奈川県・56歳)。「小学生のころ、不倫が何かわからずにワクワクしながら見ていた。登場人物の暮らしぶりがおしゃれで、憧れた」(埼玉県・47歳)などのコメントが。郊外の新興住宅地を舞台にした多重恋愛という構造そのものが新鮮だった。

不倫という言葉自体、このドラマがきっかけに世に広まった。それ以前は『よろめきドラマ』と呼ばれてました(笑)。倫理に反するという言葉は強烈で、その後、不倫カップルがめでたく結ばれることはめったになくなってしまったんです。

 横浜のたまプラーザなど田園都市線のベッドタウンを舞台に、友達夫婦同士という狭い人間関係の中で恋愛が発生するというおしゃれな群像劇。その後、脚本の鎌田敏夫さんは『男女7人夏物語』を書き、それがトレンディードラマへとつながっていく。そんな記念碑的作品でもあります」(カトリーヌさん)

純愛系不倫ドラマ『昼顔』に多くの人がハマり1位に
純愛系不倫ドラマ『昼顔』に多くの人がハマり1位に

 レジェンドドラマを抑え1位に輝いたのは上戸彩主演の『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』('14年 フジテレビ系)だ。「不倫には否定的な気持ちしかないけど、このヒロインには感情移入してしまった」(茨城県・44歳)、「清純なイメージの上戸彩が不倫する役で、そのギャップが印象的」(東京都・40歳)とヒロインを応援する声が多く、好感度の高い作品だった。

「『昼顔』は純愛系不倫ドラマの頂点に立つ作品だと思います。上戸さん演じるヒロインは子どものいない地味な奥さんで、妻よりもハムスターを愛でる夫とはセックスレス。そんな中、斎藤工さん扮する高校教師と出会って……となれば、もう視聴者は2人の純愛を応援するしかない(笑)。

 ただ、不倫の恋は成就しないという不文律のとおり、結局2人は別れてしまう。それがまた切なくて……。この作品の斎藤さんは草食系のメガネ男子で、全然エロくはないんですけど、それでも漏れ出る色気に女子たちは心をつかまれたのでは」(カトリーヌさん、以下同)