なぜ時代錯誤な熱血教師が視聴者に受け入れられたのか
『不適切にもほどがある!』最終回の世帯平均視聴率は、7.9%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と今期のドラマとしては高い数字を記録した。『GTOリバイバル』も、SNS上の反応を見るとおおむね好評だ。なぜ、時代錯誤な熱血教師が主人公を務める作品が、視聴者に受け入れられるのだろうか。
「民放のテレビドラマの主な視聴者層は、40〜50代。昭和後期に生まれ、現代の価値観を受け入れつつ、古き良き昭和や平成の時代を知っています。そのため、『GTOリバイバル』と『不適切にもほどがある!』のメッセージに共感を覚えるのでしょう。
また、40代にはXのユーザーが多く、両作品についてSNS上で積極的に感想を投稿しています。制作サイドもこの点を狙っており、『不適切にもほどがある!』はTVerに加え、NetflixやU-NEXTでも配信されています。見逃し視聴のしやすさが、SNSでの話題づくりに貢献したと言えます」(テレビ局関係者)。
ただし、鬼塚の熱血指導の描写で、気になる点があったという。
「前作では、両親の不仲に悩む生徒の家の壁をハンマーで破壊するという、明らかに演出とわかるシーンがありました。しかし、今回のチェーンソーのシーンは生々しく感じられます。『不適切にもほどがある!』のようにテロップで補足説明を入れれば、鬼塚の破天荒なキャラクターが前作を見ていない視聴者にもより伝わったかもしれませんね」(前出・テレビ局関係者)
言いたいことも言えないこんな世の中だからこそ、社会は鬼塚や小川のような熱血教師を求めているのかもしれない。